小さいものを大きく撮ろうとするから失敗する
私は自分でも昆虫をよく写しますが、人から昆虫の写真を見せられることがよくあります。「この虫なんていうの?」と聞かれるわけです。ところが、そういう写真のほとんどがピンボケしていて、なんなのかサッパリわからないのです。そこで、近くにあって、小さいものを写す場合のことを考えてみましょう。
カメラにはそれぞれ特性があって、近くにあるものを写すのが得意なカメラもあれば、そうでもないのもあります。すごく近いものにピントをあわせて写すことをマクロ撮影といいますが、使っているカメラアプリに「マクロ」があるならば、近いものを撮る時に、必ずマクロにしてください。逆に遠くのものを撮る時は、マクロではいけません。
さて、私はスマートフォンといえば iPhone 4と5しか知りませんので、iPhoneで説明します。iPhoneでは、はっきり写したい場所をタップすると、そこにピントがあうようになっています。マクロ撮影というモードはなくて、近くにあるものをタップすると近くにピントがあいます。
iPhoneのカメラはけっこう性能がよくて、かなり近いものでもピントが合うようにできてます。それでも限界はあります。
次の写真を見てください。これは近くから写しました。レンズと被写体の距離は5cm以下だったと思います。さすがにここまで近いと、どうやってもピントがあわず、後ろにある人形の靴にピントがあってしまいました。
小さいものを大きく写そうとして、たいていの人は近付き過ぎて失敗します。いくら大きく写っていても、昆虫の写真などはぼけてしまうと厳しいですから、そこはひと工夫しなければなりません。
じゃあどうするか。答えは簡単。離れればいいのです。
次の写真を見てください。同じものを写しましたが、ピントがあうところまで離れました。ピントがあうギリギリの距離まで離れてシャッターを切れば、小さなものでも鮮明に、そこそこ大きく写るというわけです。