キッチンの寸法
あなたは自分のキッチンに最適な寸法を知っていますか?案外、キッチンショールームで決められた寸法に、あなた自身を合わせていませんか?
使いやすいキッチンを設計するためには、自分のベストサイズを知ることから始まります。
今回、ご紹介する寸法図は筆者が30年以上前にロンドンの書店で見つけた1979年The Architectural Press Ltd.発行の「HUMAN DIMENSION & INTERIOR SPACE」をベースに、筆者が日本人に合わせた寸法を検証しながら加筆したものです。ちなみにこの書籍は日本における人間工学研究の基本となっている貴重なものです。
■キッチンの平面寸法(キッチンの下ごしらえスペース)
冷蔵庫スペースとシンクスペースの間が下ごしらえの寸法です。
コンパクトなキッチンでは、これだけの寸法確保は難しいのですが、このスペースを確保できるかどうかで、あなたのキッチン作業はグンと楽になります。またこの部分の上部は食器棚として活用することもできます。
この図面の場合、冷蔵庫の右スペースに冷蔵庫扉が全開できるように450mm幅以上のトールユニット・食品庫を配置しましょう。
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キッチンの下ごしらえスペース
シンクサイズは、家族構成とライフスタイルによって全く変わります。この図面ではシンクの左下に600mm幅食器洗い機がビルトインされていますが、作業の連続性を考えるなら、シンクの右側に食器洗い機をビルトインすることが原則です。
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シンクまわりと食器洗い機の寸法
この図面ではレンジ幅がアメリカンサイズの30インチレンジが描かれています。日本では60cm幅が基本寸法となります。図面の通りレンジの左右に300以上のカウンターを配置するようにしましょう。
アンダーカウンターのオーブンよりもアイレベル(目の高さ)にビルトインするウォールオーブンを採用することがおすすめです。
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レンジまわりの寸法
最近特にご質問が多いのが通路幅をどれだけ取るかということです。キッチン作業中に後ろを人が通り抜けられるようにすることと、作業を振り返って連続作業ができるようにするために750mm離すことが基本です。
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キッチンの通路幅
この寸法が、皆さんの身長に一番関係する大切な寸法です。キッチンカウンターの高さはB寸法の肘の高さから100mm下が基本となります。
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シンクまわりの作業寸法
日本のキッチンの一番の問題は、吊り戸棚を手の届かない天井面一杯に取り付けることです。この図面を見て分かるように手の届くB寸法以下が実際に収納として活用できる高さです。また吊り戸棚は目の高さ・A寸法から100~150mm下を下端の高さに設定することで使いやすい吊り戸棚となります。
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目の高さと手の届く高さ
最高に使いやすいあなただけのキッチンづくりにこの寸法ガイドラインをご活用ください。
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