丸の内の地下から散歩をスタート
前回の地下街散歩では新宿を歩いた。新宿は飛躍的にその地下が膨張しているが、東京駅の地下街も今年の3月にJPタワー内の商業施設「KITTE」がオープンして、より広さを増している。東京駅の地下街の特徴は多層な地下街である。地下一階だけではなく、地下二階もある。また、周辺ビルの階上フロアを地下街の延長とするならば、これらもここ数年ものすごく広がったと言っていいだろう。地下街というのは、いろいろな定義があるのだろうが、僕の考える地下街は、とにかく改札などを通らず、一般人が普通に歩いていける場所のことだ。というわけで、今回は丸ノ内線の東京駅の改札から、東京駅地下街にアプローチしてみた。
まずは丸の内地下にある動輪広場。ここはかつて東海道線を走っていた蒸気機関車C62の動輪が飾ってある。
動輪広場の隣には喫煙スペースもある。今回の地下街散歩で改めて思ったのは、喫煙スペースが充実してきたということだ。けっこうあちらこちらにある。もちろんトイレも充実している。ものたらないのは、ベンチくらいだろうか。
ここで地下街の地図を見ようとしたら、しばらく前から、ずっと地図を見ていらっしゃる老夫婦がいらっしゃった。こちらもお二人の後ろから地図を見ていると、男性が振り返って「つかぬことをお尋ねしますが」とおっしゃる。
うなずくと「新しくなった駅舎はどこでしょうか」とおっしゃる。一瞬なんのことかわからなかったが、地図を見て改めて、ああそうかと思った。「レンガ造りの駅舎ですよね、この真上ですよ」と天井を指さした。「ほら、そこの階段から地上にあがると目の前にあるはずです」と申し上げた。老夫婦はお礼を言って階段をのぼっていく。なるほど、地下からは駅舎を眺めることはできない。
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