分割で返済した場合の計算例

例えば、29%で100万円借りた人が、1年に29万円ずつ返していく例を考えてみます。

消費者金融会社側の計算では、借りた1年後には借金が129万円に膨れ上がっています。この年に29万円返すことによって、ようやく借金が100万円に減ることになります。

2年目にも、1年目の残額である100万円に利息が付いて129万円となったものに、29万円を返済して、借金が100万円となることになります。

そうです。お気づきのとおり、この例ではエンドレスに利息だけを支払うことになり、一向に元本の100万円が減っていかないのです。29万円を何年も何十年も返し続けることになります。

これを、利息制限法に従った適法な金利で計算し直すとどうなるでしょう。

1年目の利息は、法律の上限で15%に当たる15万円ですから、借りた1年後には借金は115万円となります。これに対して29万円を返済するので、115万円-29万円=86万円が1年目の残額です。

すると、2年目の元金はこの86万円となり、利息が同様に15%乗るので、借金総額は86万円×115%=99万円。これに対して29万円を返済するので、99万円-29万円=70万円が2年目の残額です。

同様に、この70万円が3年目の元金となり、利息が15%乗るので、借金総額は70万円×115%=80万円です。これに対して29万円を返済するので、80万円-29万円=51万円が3年目の残額です。

この計算を繰り返していくと、6年目の借金は約7万円となり、6年目には完済できることになります。

ですので、29%という約束の利息を真に受けて29万円の返済を続けた場合、6年目以降の返済は返し過ぎなのです。例えば、律儀に6年目まで29万円返し続けた人は、29万円-7万円=22万円が過払い金として返ってくることになります。
引き直し計算表

100万円を借りた場合の比較。引き直し計算をすると、6年目に22万円の過払い金が生じています

上の計算では簡略化のために、「1年に◯万円返済」という設定にしましたが、現実には「1カ月に◯万円返済」というケースが多いでしょう。その場合は、年利を日割り計算します。

すなわち、例えば100万円を29%の年利で4月1日に借り、4月25日に返済するまでの利息は、100万円×29%×(24日/365日)=約1万9000円です。

自分で計算できる! 過払い金計算無料ソフト

過払い金計算の原理は以上のとおりです。とはいえ、借りたり返したりを何度も繰り返している方は、一つひとつ電卓を叩くのが面倒だと思われることでしょう。そこで、過払い金額の計算が自分でできる無料ソフトをご紹介します。

名古屋消費者信用問題研究会
愛知県近辺の弁護士数十名が、消費者の権利確保を目的として設立した団体のウェブサイトです。「名古屋式」と呼ばれる引き直し計算ができるExcel用テンプレートをダウンロードできます。使い方も同サイトに掲載されています。

アドリテム司法書士法人
「外山式」と呼ばれる計算方法を確立した、司法書士の外山敦之先生のウェブサイトです。利息計算ソフトというExcel用テンプレートで、過払い金額が計算できます。詳細な使用方法は、同サイトをご参照下さい。

ただし、これらのソフトも、ご自身で入力する際に使いこなせずにミスや誤解があったりすると、正確な金額は算出できません。ご自身の借入・返済の状況に即して、正確な過払い金額を出すためには、やはり専門家である弁護士や司法書士に相談するのが確実でしょう。

現在は、過払い金額の計算のみを数千円程度で引き受ける弁護士事務所、司法書士事務所もネットで探せますので、とりあえず金額だけ知りたいという方は、そちらを利用するのも手でしょう。

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