平成26年4月から消費税率が5%⇒8%へ引き上げられました。増税の影響は所得の低い家庭ほど大きくなり、そうした家庭を支援するための暫定的・臨時的な措置として「臨時福祉給付金(経済対策分)」が支給されています。
「臨時福祉給付金」ってどんなもの?
消費税増税の影響は、所得の低い世帯や扶養家族が多い家庭ほど大きくなります。それは、家計支出の中の生活費の占める割合が大きいためです。そのため、消費税を導入している多くの国で、通常、生活必需品にかかる消費税を低く設定するなどの調整がなされています。
平成26年4月に5%⇒8%にアップした後、当初の予定では平成27年10月に8%⇒10%に上げる予定でしたが、平成31年10月まで延期されることになりました。
次回、消費税が増税になる際に、生活必需品に対する消費税が見直される見込みですが、8%時代はそうした調整がなされていません。そのため、影響の大きい低所得世帯に対して「臨時福祉給付金」が支払われることになったものです。
平成28年度の金額は3,000円でしたが、29年度は国の経済対策の一環として、平成29年4月から平成31年9月までの2年半分が一括して支給されます。
支給は、平成28年1月1日の時点で住民登録がなされている市区町村からになります。
支給対象者は?
平成28年度の「臨時福祉給付金」(3,000円)の支給対象者だった方が、今回の「臨時福祉給付金(経済対策分)」の支給対象者になります。ただし、平成28年度の「臨時福祉給付金」を実際に受給したか否かは問われません。具体的には次の4つのポイントすべてに該当する方です。
<対象となる要件>
□基準日(平成28年1月1日)にいずれかの自治体の住民基本台帳に記録されている。
□平成28年度の市区町村民税(均等割)が課税されない。
□誰かの扶養になっていないか、扶養されていても扶養者が住民税非課税。
□生活保護の被保護者になっていない。
誰かの扶養になっていて、その扶養者が住民税課税の場合は対象外です。また、生活保護の被保護者も対象外です。
支給額は?
平成28年度の「臨時福祉給付金」は、支給対象者1人につき3,000円が支払われましたが、今回は平成29年4月から平成31年9月までの2年半分が一括して支給されるため、1人につき15,000 円です。<給付額> 1人につき15,000 円(1回のみ)
*平成29年4月から平成31年9月までの分
書類発送時期や申請の締切は?
書類発送や申請の締切などは自治体によって異なります。該当者には郵便が届きますが、発送時期や締切などが不安な場合は、厚生労働省「確認じゃ!臨時福祉給付金」のサイトで検索をすると確認できて便利です。
厚生労働省「確認じゃ!臨時福祉給付金」
期限までに申請しないと支給されませんので、書類が届いたら、早めに申請しましょう。
申請時期や申請方法
「臨時福祉給付金」の申請は、基準日(1月1日)に住民登録がされている市区町村に対して行います。まず、自治体から申請書が届き、それに記入して、必要書類を付けて返送する形になっています。請求の締切をはじめ、細部は自治体で異なりますので忘れずに申請をしましょう。
配偶者のDVで避難している方は
現在、配偶者からのDVを理由に自宅を出て避難していて、「臨時福祉給付金」の対象者となる場合、基準日(1月1日)時点で住民票を移していなかった方は、事前に申し出を行い、申し出の受理後、さらに支給申請手続きを行うことで、避難先で給付を受け取ることができます。DV配偶者が家族全員分を受け取る申請をする前に、手を打つ必要があります。該当者はすぐに問い合わせてください。
厚生労働省の相談電話
こうした給付金に乗じて「振り込め詐欺」なども起きているようですので、くれぐれも注意しましょう。厚生労働省には相談用電話も用意されています。電話番号 0570-037-192(午前9時~午後6時、平日のみ)
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期限がありますので、書類が届いたら早めに請求手続きをしましょう。
【参照】
厚生労働省「確認じゃ!臨時福祉給付金」
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