樹々に囲まれた工房 「住吉窯」
名古屋から電車で30分ほどの多治見市は、昔から美濃、織部などの陶磁器産業が盛んな街です。中でも市之倉地区には職人気質の作家さんが多く、陶芸愛好家の間では注目のスポットとなっています。陶芸体験を行う窯元はいくつかありますが、中心部からバス停ひとつ離れた場所にある住吉窯は特に個性的です。
堂々とした趣きのある工房は、電信柱などの廃材を使ってオーナー自ら建てたということです。工房は天井が高く、窓から緑を眺めると県道沿いにあることを忘れてしまいそうで、まるで樹々の中で制作しているような気持ちになれます。
体験は土練りから 作陶プロセスを1から楽しむ
1日陶芸体験ではあらかじめ整った状態の土を器の形にするだけではなく、まず固い土を練る「菊練り」から始めます。これはかなりの重労働ですが、素朴で豪快なお人柄のオーナーのお話を聞きながらの作業は退屈しません。ある程度土が整ったら手びねりで成形します。最初はマグカップか抹茶茶碗と勧められことが多いようです。力を込めて体全体で土と親しむせいか、大胆で自由な形作りが楽しめるような気がします。
できあがった器は時間をかけて乾燥させた後、窯に入るのですが、最終的な完成までには数ヶ月かかることを覚悟しておいたほうがいいと思います。すべてがゆっくりと進み、都心部の陶芸教室ではなかなか味わえない経験ができる場所です。
1泊して気の済むまで土と戯れるのがお勧め
作品完成までのタイムスケジュールはありません。気の済むまでマイペースで制作することができます。できれば1泊し、お酒でも飲みながら土を練り続けるのがお勧めです。■住吉窯
住所:岐阜県多治見市市之倉町5-170
電話番号:0572-22-3875
料金:1日作陶体験 5000円(焼成代別)、宿泊 3000円
アクセス:JR中央線多治見駅(名古屋から約30分)、バスで南市之倉(約15分)下車徒歩1分
HP:www.c-5.ne.jp/~mino/index.html
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