5月21日に財団法人日本不動産研究所より平成21年度3月末現在の「市街地価格指数」が公表されました。以前に、不動産投資を行う時には、参考となる指標や統計の発表に注目、分析することが大切だとお話しました。今回は、その結果について見ていきたいと思います。
市街地価格指数とは?
市街地価格指数とは、市街地の宅地価格(商業地、住宅地、工業地、最高価格地)の推移をあらわすために、毎年3月末と9月末の年2回、財団法人日本不動産研究所の不動産鑑定士等が全国主要223都市の約2,000地点で地価を鑑定評価して、指数化しているものです。長年にわたる日本の地価を示す指標としては代表的なものであり、昨年9月末から今年3月末までの統計数値のため、最近の動向を見るのに適しています。全体の動向は?
財団法人日本不動産研究所が公表した調査結果によると、平成21年3月末現在の市街地価格指数の様子は以下のようにまとめられています。
●全ての地域・用途区分で前回調査に引き続き下落傾向が継続しており、下落幅は拡大傾向。
●「全国」の全用途平均は、半年間(昨年9月末~今年3月末)で2.5%の下落となっており、前回調査の1.5%下落から下落幅が拡大した。
では、六大都市や三大都市圏ではどうなのか、掘り下げて見ていきたいと思います。
六大都市では?
六大都市(東京区部、横浜、名古屋、京都、大阪、神戸)では、昨年9月末から今年3月末の半年間で、全用途平均は、6.9%の下落となっており、前回調査の2.9%の下落から下落幅が拡大しました。用途別では、商業地10.8%、住宅地5.4%、工業地3.0%が下落しました。中でも、商業地の下落幅が大きく見られます。六大都市の商業地が半年間で10%も下落したことは、かなり大きいインパクトがあります。なぜこのような結果になったのでしょうか?
昨今の不況の影響により、オフィス需要は低迷しており、空室率上昇や賃貸料が下落しています。また、消費が低迷していることから、店舗の売上高も下落しており、商業用不動産施設の収益も低下していることが原因と言われています。
たしかに街中を歩いていても、空室が目立っているように思います。
財団法人日本不動産研究所 HPより抜粋 |
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