長期優良住宅/長く暮らせる家

ストック型への住宅政策転換について(2ページ目)

『「つくっては壊す」消費型の社会から、「いいものを作って、きちんと手入れをして、長く大切に使う」ストック型社会への転換を目指す』という言葉を、ここ数年の間によく聞くようになりました。

佐藤 益弘

執筆者:佐藤 益弘

不動産にまつわるお金ガイド

これからどうなる?

国土交通省は、今月15日に2010年度の予算概算要求を終えました。

その中の1つに、
・ストック型社会への転換、リフォーム市場の活性化を通じた経済成長を図るため、長期優良住宅や省CO2対策分野への支援に加えて、バリアフリー改修など住宅の質の向上につながるリフォームを幅広く支援する。またリフォーム市場の環境を整備するため、インスぺクション(建物検査)の実施、住宅履歴情報の蓄積、保険への加入を支援する。
とあります。

リフォーム業者やインスぺクション事業者との連携や、介護事業者からのアドバイスを踏まえたオーダーメードリフォーム、買取再販の提案などを例に、事業化マニュアルの作成していくこと、中古住宅流通とリフォームなどを一体化して行う事業への支援措置をしていく考えです。

具体的には、中古流通・リフォーム施策については(長期優良住宅や住宅省CO2の推進なども含める)、2009年度予算の240億円から330億円に増額しています。また、高齢者などに向けた賃貸住宅の整備に係る予算は、120億円から160億円へ増額、耐震改修施策などについては、前年度と同じ190億円を要求する形となっています。

このように、政府が考える住宅政策に係る予算は、リフォームや中古流通などのストック政策が前面に出ています。

今月14日の辻元国土交通省副大臣の就任会見では、「エコ」「環境への配慮」という言葉がよく使われていました。また、「今まであるものを活用しながら、若い子育て中の人たちが安価で入れる賃貸住宅を整備するなどを考えたい」という内容を強調していたことから、ストックの形成がいかに重要かということがわかります。

不動産投資を行う上では、この辺りの事情もしっかりと把握する必要があります。
自民党から民主党へ政権交代がされて、2010年度の予算概算要求が終わった今だからこそ、
今まで以上に今後も政治の動きから目を離さず、しっかりと見ていくことが大切だと言えますね。

【参考資料】住宅新報 2009年9月8日号、2009年10月20日号
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