海外赴任の給与はどのようになっているのでしょうか? 国内勤務よりかなり高給のイメージがありますが、実際はどうなのか気になるところ。 一般的な海外赴任での給与の支払われ方をご紹介します。
 
海外赴任の給与

海外赴任の給与。どの通貨で支払われるのかも気になるところ

<目次>
 

海外赴任の給与は、現地通貨と円建ての2本立て

多くの会社では、海外赴任者への給与は、現地通貨と円とで支払われています。現地通貨で支払われる海外給与は現地での生活のためのもの。円で支払われる国内給与は、日本で負担するべき社会保険料や円での貯蓄のためといわれています。

まずは、現地通貨で支払われる海外給与の決め方を見てみましょう。次の3つの方法があります。
 

別建て方式:現地での一定の生活レベルを保障

国内給与体系と切り離して、海外給与を独自に都市別に決めるものです。現地での一定水準の生活を保障するもので、会社の顔として生活レベルを高く設定する例が多いようです。その結果、給与も高額になる傾向があります。

海外勤務が特別だった数十年前はこの方式が多く採用されていました。当時は円安でもあったので、海外転勤が終わり帰国すると家が一軒たつといわれていたようです。現在は、次に紹介する購買保障方式のほうが主流になっているようです。
 

購買保障方式:現地の物価を考慮した給与

日本と同じような生活を送ることができるように、赴任地の物価や生活費などを基準にして給与を決める方法です。現地の物価や生活レベルを判断する基準は、コンサルタント会社が決めた生活費指数。生活実態に応じた給与が設定でき、現在では多くの会社がこの方式を採用しています。

具体的には、国内勤務時の月額手取り額から生計費を算出し、そこに生活費指数をかけて給与を決めます。国内と海外勤務者との間はもちろん、海外勤務者間でも国が違っても、生活水準や手取りは同等とみなせるので、公平感があるといえます。
 

海外本給方式:日本の手取り額から計算

日本の給与をそのまま任地でも適用する方法です。具体的には、日本での手取り額と同等の金額を海外でも手取りとして受け取れるようにするものです。上の購買保障方式から、生活費指数をかけるのを省いた形になります。海外赴任地が少ない場合などは、この方式の導入が多いようです。
 

手当は?家賃、住宅手当、子女教育手当、車など

海外赴任の給与

海外赴任地での生活は日本よりコスト高になることも。支給される手当も確認したい

海外赴任になると、海外給与とは別に手当がつきます。安全性を考えると家賃も高額になることが多いものです。多くの会社は会社で家賃を負担しています。会社で契約した住宅を提供してもらう場合や、一定額の住宅手当を支給するものなどもあります。

子どもの教育費も手当として出る場合が多いようです。現地で日本語学校やインターナショナルスクールに通うと、費用がかなり高額になります。このため、子女教育手当として学費の全額または一部を支給することがあります。

また、現地で車が必要な場合は、車やガソリン費用なども手当として支給される場合があります。他に、帰国費用や健康診断費用などもあります。
 

国内給与と賞与は円建てで

次に、国内で支払われる給与を見てみましょう。継続して日本の社会保険(年金、健康保険)に加入する場合は、日本での社会保険料負担がかかります。この費用の支払いにあてるために、日本円での給与も設定されることがあります。

また、国内勤務時に支給されたボーナスも支給されます。これは日本円で支給されます。マイホームの住宅ローン返済がある人は、この円建てで支給される賞与を返済にあてることができます。

他にも、留守宅の維持費用や国内に残った家族のための生活費なども、手当として円建てで支給されることがあります。
 

危険な地域、開発途上国などではハードシップ手当も

赴任地によっては危険な地域や住みにくい地域もあります。その地で仕事や生活をする上での精神的・肉体的負担に対してハードシップ手当が支給されるケースもあります。生活水準が日本より低い地域で支給されることが多く、この手当の有無で給与額がかなり変わることになります。

また、開発途上国などでは、現地の雇用に貢献するためにメイドや運転手などを会社が雇うこともあります。給与額には反映されませんが、生活の質は日本とは違うものになりそうです。
 

海外赴任の給与は、税金の扱いにも注意!

海外で支給される給与は手取りで計算されることが多いです。税金や社会保険料などの給与から控除される金額は国によって変わります。支給額で給与を決めてしまうと、赴任地によって不公平になってしまいます。ですから、手取り額を決め、そこから給与の支給額を逆算していきます。

また、現地での所得税なども会社負担となる場合もあります。所得税などの負担が会社か個人かどちらになるかを確認しておくほうがいいでしょう。

日本での年金制度も注意が必要です。厚生年金は報酬に対して保険料が徴収され、その金額によって将来受け取れる老齢年金額が決まります。海外赴任の間も日本の年金制度に加入しているのなら注意が必要です。日本で支給される給与額は減り、保険料の負担は少なくなりますが、受け取る年金額も減少することに。海外赴任中の日本の社会保険の状況もチェックしておきましょう。

海外赴任の給与は会社によって制度が変わってきます。海外赴任が決まったら、現地での生活状況などを調査しながら会社の制度を調べることが大切です。

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