「ワールド・ゲノムテクノロジー」の投資対象は?
ワールド・ゲノムテクノロジーは野村アセットマネジメントの設定ですが、運用はピクテが行っています。為替ヘッジを行うAコースと為替ヘッジを行わないBコースがあり、現在はBコースがより良い成績をあげています。直近の1年間のリターンは、59.1%の上昇ですが、設定来(2003年11月以降)からの累積では114.6%の上昇です。このファンドの投資地域は、91.4%がアメリカです。その他は、わずかですがデンマークとノルウェーに投資しています。医療ヘルスケアの先進企業がアメリカに集中していることから、このような地域配分になっていると想像されます。
さて、このファンドが投資している上位3社のプロフィールをご紹介します。
第1位は、アメリカのGILEAD SCIENCES INC(ギリアド・サイエンシズ)。カリフォルニア州のフォスターシティにあるバイオ製薬会社で、1987年の創業以来、HIV、B型肝炎、インフルエンザといった感染症治療のための抗ウイルス剤開発を事業の中心としています。今では「タミフル」として愛用されているインフルエンザワクチンも、同社がスイスのロシュ社にライセンス供与して販売されているものです。
第2位は、やはりアメリカのCELEGENE CORP(セルジーン)。ニュージャージー州サミットにある医薬品メーカーで、ガンや炎症性疾患に対する医薬品を得意分野としています。サリドマイドや多発性骨髄腫患者の治療薬も開発しています。
第3位は、BIOGEN IDEC INC(バイオジェン・アイデック)。マサチューセッツ州にある、1978年創設の世界でもっとも古い歴史を誇るバイオテクノロジー会社です。中枢神経系疾患を中心とした重篤な疾患を治療する生物学的製剤の研究、開発、製造、販売を行っています。
「ピクテ・バイオ医薬品ファンド」の投資対象は?
12位のピクテ・バイオ医薬品ファンドは、2004年10月の設定で、為替ヘッジなしコースのみ。ヘッジ付きは用意されていません。直近の1年間のリターンは、56%の上昇ですが、設定来(2004年10月以降)の累積では、76.95%の上昇です。投資地域でみるとアメリカが85.4%と、上のワールド・ゲノムテクノロジーほどアメリカ独占ではなく、スペイン、英国、オランダ、アイルランドなどが2~3%ずつ含まれています。
先ほどと同様に、このファンドが投資している上位3社のプロフィールをご紹介します。
第1位は、アメリカのVertex Pharmaceuticals,Inc(バーテックス・ファーマシューティカルズ)。生物学と化学の融合に同社の特徴はあり、治療法の限られた、または有効な治療法のない疾患用の新しい 小分子薬の発見、開発、商品化に注力しています。現在開発中の製品には、ウィルス性疾患や がんにおけるMDR (多剤耐性)、炎症性疾患、自己免疫疾患、および神経変性疾患など の治療に向けた薬剤があり、業界の注目を集めています。
第2位は、ワールド・ゲノムテクノロジーで3位に入っていたバイオジェン・アイデックです。
第3位は、Pacira Pharmaceuticals(パシラ・ファーマシューティカルズ)。同社は術後用の持続性鎮痛剤に特化したアメリカの製薬会社です。
いかがでしょうか?テーマファンドで1000万円をつくるというイメージをつかんでもらえたでしょうか?ご注意いただきたいことは、いま好成績のファンドがこれからのハイリターンを保証してくれる訳ではないということです。これはテーマファンドの宿命です。
医療ヘルスケアの次に来るテーマは何なのか?それを考えて、1000万円を目指してください。