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港区・渋谷区を中心に価格上昇が続く

今年の1月~8月までに都心6区で分譲されたマンションの平均坪単価をみると、渋谷区では500万円台に達し、港区や千代田区でも400万円台の後半に上がりました。都心6区の最新マンション相場動向をお届けします。

執筆者:山下 和之

千代田区では1年で坪単価100万円上昇

千代田区の新築分譲マンションの平均坪単価は、2005年から2006年上半期まで300万円台前半だったのが、2006年下半期には406.0万円に上昇、さらに、今年1月~8月の平均は454.4万円まで上がりました。東京カンテイ市場調査室室長・中山登志朗氏はこう分析しています。

「神田周辺の専有面積30m2台、40m2台のワンルームやコンパクトマンションは坪単価200万円台後半から300万円台前半で分譲されています。投資用が中心なので、一定の利回りを確保するために比較的単価が抑えられているわけです。それに対して、六番町や富士見の専有面積の広い物件は坪単価400万円台以上で、なかには700万円台の物件もありました」

千代田区の平均坪単価は400万円台半ばでも、ファミリータイプに限ると、400万円台後半からいよいよ500万円台が相場になってきそうです。

中央区の坪単価は比較的落ち着いた動きに

中央区では2005年までワンルームを中心に活発な分譲が行われてきました。2004年、2005年ともに年間3,000戸前後の新規供給だったのが、2006年は616戸に減少し、2007年1月~8月も293戸にとどまっています。ワンルームマンションを購入する投資家の予算は2,000万円台までといわれていますが、地価の上昇などによってその価格帯での分譲が困難になっているため、当分は供給の増加は期待できそうにありません。

坪単価の動きをみると、2006年には一時300万円台に乗せましたが、2007年1月~8月は279.4万円とやや落ち着いた動きになっています。

港区では平均坪単価500万円が目前に迫る

港区の供給もやや先細りの観が否めません。半年単位でみると、2006年下半期までは常に1,000戸以上の供給が続いてきましたが、2007年1月~8月は292戸にとどまっています。

都心の住宅地として人気の高いエリアが多いだけに、強い需要がありますが、それに対して供給が極端に減少していることもあって、価格は急激に上昇しています。2006年上半期は293.8万円だったのが、下半期には333.8万円に上がり、2007年1月~8月の平均は493.0万円に達しています。いよいよ500万円台に突入かという勢いです。

「バブル時には千代田区の価格上昇が先陣を切りましたが、最近は千代田区の人気住宅地には土地が出にくくなっていることもあって、今回は港区と渋谷区が価格の上昇をリードしています」(東京カンテイ・中山氏)

■ 東京23区都心 新築マンション供給動向
(単位:坪単価=万円、平均専有=m2
市区名   2004年 2005年 2006年 2007年
1-6月 7-12月 1-6月 7-12月 1-6月 7-12月 1~8月
千代田区 分譲戸数 795 178 498 701 140 131 665
坪単価 387.1 336.1 312.6 334.7 340.8 406.0 454.4
平均専有 38.22 36.75 25.80 33.96 35.96 55.67 56.52
中央区 分譲戸数 1768 1534 486 2349 373 243 293
坪単価 253.1 243.7 244.9 215.9 272.2 311.1 279.4
平均専有 38.05 46.07 48.21 78.19 50.86 33.60 52.72
港区 分譲戸数 1946 2961 1277 2227 1883 1157 292
坪単価 279.4 274.6 318.4 271.5 293.8 333.8 493.0
平均専有 64.84 62.91 70.56 68.08 76.24 70.15 85.65
(データ提供/東京カンテイ
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