港区、渋谷区の坪単価は500万円台に

都心6区の2007年1月～11月の分譲マンションの平均坪単価を2006年と比較すると、千代田区がほぼ横ばいだったのを除けば、軒並み上昇しています。東京カンテイのデータをもとに、都心の相場動向をみてみましょう。

渋谷区の平均坪単価が551万円で最高

渋谷区の平均坪単価をみると、2007年前半は400万円台後半だったのが、後半に専有面積90m²超の高級仕様のマンションが増えて、551.3万円と23区のトップに立ちました。東京カンテイ市場調査室室長・中山登志朗氏はこう語っています。

「一部大手が専有面積の広い、2億円台のマンションを売り出したところ予想以上の売行きでした。これで渋谷区では、広くて高いものが売れるということで、続々と高額物件が登場。なかには、松濤の坪800万円というマンションもありましたが、これも完売したようです」

ちなみに、渋谷区の平均専有面積は90.93m²。平均坪単価551.3万円を掛けて3.3で割ると1戸あたりの平均価格は1億5191万円。もちろん、一般的な会社員が買える金額ではなく、新興企業の創業者、自営業者や資産家などが購入しているようです。

港区も平均坪単価500万円台に乗せる

港区の2007年1月～11月の平均坪単価は506.4万円。2006年は374.6万円でしたから、前年比35.2％の上昇です。前述の渋谷区とこの港区が23区の、つまり日本全体のマンション価格の頂点に立ち、それも突出した高さを誇っているといえます。他の区をみると、千代田区が400万円台で渋谷区・港区に続いていますが、その他は300万円台以下にとどまっています。23区東エリアでは平均坪単価が200万円以下の区もあります。同じ23区内であっても、3倍近い価格差がついているわけです。

港区でも平均専有面積は91.50m²とかなり広くなっています。渋谷区同様に、高額所得者、富裕層にターゲットを絞った高級仕様のマンションが中心になっていることがわかります。

千代田区でも強気の価格付けが目立つ

坪単価面で渋谷区・港区に次ぐのが千代田区です。2007年1月～11月の平均坪単価は430.2万円でした。2006年1年間の平均が431.8万円でしたから、ほぼ横ばいの水準で推移しているようにみえます。しかし、2005年には311.0万円でしたから、この2年間でみると4割近くも上がっている計算です。

千代田区はもともと住宅地が少なく、物件数が限られます。特に2006年は年間で272戸にとどまりました。この希少性から価格が大幅に上昇し、それが2007年もその高値基調が続いているという見方ができそうです。

■ 都心 新築マンション供給動向
（単位：坪単価＝万円、平均専有＝m²）

市区名		2002年	2003年	2004年	2005年	2006年	2007年 1～11月
渋谷区	分譲戸数	1193	1925	1662	864	260	708
	平均専有	52.54	45.22	53.45	54.41	66.88	90.93
	坪単価	321.7	316.3	326.2	338.9	383.6	551.3
港区	分譲戸数	2336	3904	5322	3683	3075	411
	平均専有	53.08	69.44	69.86	68.71	78.59	91.50
	坪単価	345.5	328.3	300.7	339.8	374.6	506.4
千代田区	分譲戸数	729	1413	1105	1197	272	745
	平均専有	59.10	61.43	55.43	37.85	64.11	61.38
	坪単価	321.9	358.1	357.8	311.0	431.8	430.2

（データ提供／東京カンテイ）