デュベル トリプルホップ2013
デュベルとは
ベルギーの中でも本当に有名で人気のビールです。通常フランドル(ベルギー北部)地方のビールでワロン(ベルギー南部)地方のスーパーマーケットで売ってない銘柄は多くありますが、デュベルの場合は「取り扱っていない店はないのでは?」と思うくらい有名なビールです。やや強めの発泡で、きめ細かい泡が特徴です。色は黄色身の強いクリアなゴールド。ホップの効き方、クリアな味わい、後味の甘さの余韻が絶妙のビールです。熟成期間の長短、温度管理など美味しさの要因は多々ありますが、酵母のコントロールが抜群に上手いからだと思います。
ここで紹介するのは2007年より年度別で限定醸造が始まった「デュベル トリプルホップ2013」。通常のデュベルはザーツ(チェコ原産)、スティリアン・ゴールディング(スロベニア原産)の2種類のホップを使用していますが、「トリプルホップ」は年度ごとに異なるホップを一種類追加使用しています。3種のホップ:トリプルホップというわけですね。2013年は日本原産のソラチエースホップを使用しています。通常のデュベルがEBU(European Bitterness Units scale・苦みを示すヨーロッパ基準の単位)32なのに比べ、トリプルホップ2013はEBU44と強い苦みを表しています。年度ごとに異なるホップを使用した瓶内発酵ビールなので、毎年のビンテージを飲み比べても違いが分かりやすく、楽しく出来るというわけです。
デュベルと仲間達
クリアなブロンドで、高アルコールのカテゴリーはデュベルがヒットしたことで確立しました。そのためデュベルの後に続けと、多くの醸造所が高アルコールのビールを販売することになりました。デュベルを飲んだ友人が美味しくて、飲み過ぎてしまう!から「魔性を秘めたビールだ」といったというナイスな逸話が有名ですが、ベルギービールに限らずアルコール度数の強いお酒には、少し強そうだったり、少し悪そうな名前を付ける傾向があります。日本酒でいったら「鬼殺し」風な名前ということですね。
デュベルは強そうで悪そうな名前を付けたベルギービールとしても最初に成功を収めました。そのため追随するビールも強そうだったり、悪そうだったりする名前が多くあります。名前のニュアンスで一括りにするのも難しいので、ここではベルギービールを世界に広めたビアライター故Mジャクソン氏が作ったゴールデンストロングエールというカテゴリーで括りました。ブロンドで高アルコール、少し悪そうな名前のビール、両方とも「デュベルと仲間達」といったカテゴリーです。
デュベル好きの中にひたすらデュベルを飲み続ける人(特にベルギー人)を多くみますが、アルコール度数が8.5%なので飲み過ぎ注意しましょう。