頭痛/片頭痛・偏頭痛

片頭痛モンスター! 後白河上皇の仰天エピソード

今回は頭痛列伝第2弾! 平氏と源氏を天秤にかけ長期政権を握った実力派法皇、後白河上皇の片頭痛武勇伝をお伝えします。「ハマる」「こだわる」「ひらめく」片頭痛脳の持ち主が、愛おしくなること間違いなし。人の10手先まで未来が読める策略家として有名な後白河上皇の、モーレツ片頭痛脳パワーエピソードの数々をご紹介します。

富永 喜代

執筆者:富永 喜代

医師 / 痛みの治療・麻酔ガイド

後白河上皇、片頭痛、偏頭痛、有名人

いくらカラオケが好きだからと言って、10歳から欠かさず練習し続け、50日歌い明かし、40日連続で歌って夜遊びするなんて、尋常のパワーでなせる業ではありません

「キラキラが見えるタイプの片頭痛の人には天才が多い」と言われています。前回は、卑弥呼と織田信長の頭痛と史実についてお話ししました。今回は、頭痛列伝第2弾。日本史上最も才気あふれる頭痛持ち、平安時代末期に活躍した後白河上皇(ごしらかわじょうこう)についてお話しします。

後白河上皇の超破天荒生活

後白河上皇は、大治2年(1127年)、鳥羽天皇と中宮、藤原璋子の第4皇子としてお生まれになりました。白河法皇が亡くなられた後、鳥羽天皇は璋子を遠ざけ、新たな妃である藤原得子を寵愛します。彼は、母親側からのプッシュも見込めない第4皇子でした。そのため、お若いころには、皇位継承とは無縁のハチャメチャ生活を送っていた、と記述が残っています。身分の上下にかかわらず、果ては遊女までお屋敷に招き入れ、遊興に明け暮れる日々だったそうです。父親である鳥羽天皇からは、「即位の御器量にはあらずと思召す」(愚管抄)との記述が残る程です。しかし、この常識にとらわれない型破りな振る舞いも、織田信長同様、片頭痛脳のなせる技だったのかもしれません。

歌で3回のどを潰し、40日連続夜遊びする片頭痛脳パワー

後白河上皇は、庶民に流行した“今様”という、当時の流行歌にハマりにハマられました。

「梁塵秘抄」から、その爆裂エピソードをご紹介しましょう。

「10歳余りの時から今様を愛好して、稽古を怠けることはなかった。昼は一日中歌い暮らし、夜は一晩中歌い暮らした。声が出なくなった事は3回あり、そのうち2回はのどが腫れて湯や水を通すのもつらいほどだった。待賢門院が亡くなって50日を過ぎた頃、崇徳院が同じ御所に住むように仰せられた。あまりに近くで遠慮もあったが、今様が好きでたまらなかったので、前と同じように毎夜歌った。鳥羽殿にいたころは50日ほど歌い明かし、東三条殿では船に乗って人を集めて40日余り、日の出まで毎夜音楽の遊びをした」

なんという底なしの執着パワー!!! 好きなものは骨まで愛す。興奮性の高い片頭痛脳の妥協を知らないこだわりが見てとれる、仰天エピソードです。

後白河上皇と熊野詣(もうで)

熊野詣、今熊野神社、頭痛寺、後白河上皇

生涯34回も熊野詣をした天皇は、後にも先にも後白河上皇しかいません

後白河上皇が長年頭痛に悩まされていた、という史実は数多く残っています。代表は、「観音霊験記 西国巡礼十五番山城京今熊野「後白河院」」。熊野信仰に厚かった後白河院が今熊野観音寺にお参りしたところ、枕元に観音さまが現れ頭痛が治った、という霊験が記されています。現在でも今熊野観音寺は、頭痛封じの寺として有名です。当時の熊野は、修験道の修行の場として現世における浄土である、と信仰を集めていました。そのため後白河上皇だけではなく、平清盛など時の権力者はこぞって熊野詣を行いご利益にあやかろうとした、と伝えられています。

「ハマる」「こだわる」「ひらめく」片頭痛脳

しかし、特記すべきは、後白河上皇が熊野詣に訪れた回数です。歴代天皇の中でもぶっちぎりの第1位! 現代よりはるかに遠く離れた熊野まで、なんと34回!!! も詣でているのです。回数もさることながら、後白河上皇の熱狂ぶりはケタ外れです。後白河上皇は、いっそ熊野が京都にあればいいと考え、新熊野神社をお建てになります。その際使われた木材などは、労苦をいとわず熊野から調達するほどのこだわりようでした。片頭痛脳の持ち主は、何事にもハマると際限ないパワーを発揮します。これも「ハマる」「こだわる」「ひらめく」片頭痛脳の片りんがうかがえるエピソードでしょう。

「日本国一の大天狗」と呼ばれた超頭脳実力派法皇

後白河上皇、源頼朝、源氏、平氏

後白河上皇は、天才的ひらめきと完璧な策略で、日本国一の大天狗と呼ばれました

歴史上語られる後白河上皇は、1156年の保元の乱、1159年の平治の乱、1177年の鹿ヶ谷事件、治承3年の政変と、常に平氏と源氏の政変キャスティングボードを握り続けたキーマンです。

幽閉され政治の表舞台から追放されても、そのピンチを見事に切り抜ける大胆さ。平氏政権樹立の影の立役者であると同時に、平家打倒の策略をめぐらせる狡猾さ。また、源氏の台頭を促したかと思えば、義経に頼朝追討の令を下す冷徹さ。それらすべてを兼ね備え、絶えず勝者を見極め、利用できなくなれば切り捨て、しがらみに囚われることがない策略の数々によって、長期政権を握った超頭脳実力派法皇。これが源頼朝に「日本国一の大天狗」と言わしめた、天才後白河上皇の真のお姿でしょう。

後白河上皇は、時代劇ではクセのある人物として描かれることが多いようです。しかし、彼こそ人の10手先まで未来が読める天才型片頭痛の才能をいかんなく発揮し、日本史上最も活躍した片頭痛脳の持ち主といえるでしょう。
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