産前から、産後のサポートについて考える「父親学級」
産後に起こりやすい、夫婦のすれ違い。それは、夫婦で話し合って、考えをすりあわせる必要があると渡辺さんは言います。「そうしたなか生まれたのが「父親学級」です。所沢市周辺の病院、助産院、クリニックなどで毎月、ほかにも依頼があれば出張開催しています。産後はとても大変で、イライラするし、けんかもある。なんでこんな人と結婚しちゃったんだろうって思ったりすることもあるかもしれない。人にあんまり言えないし、触れられない部分ですが、夫婦のシェアリングとコミュニケーションのきっかけづくりとなる場をつくりたかったんです。」(渡辺さん)
ぜひ夫婦で参加して欲しい、と言う渡辺さん。会場後方にはキッズスペースを設けることも
「産後の母親は、授乳以外の家事・育児をすべて他人にゆだねて寝ていないといけないんです。悪露(おろ)といって、出血が1ヶ月程度続くわけですから。知人の中には、産後も週に2回だけ飲んで帰ってきていいとルールにしている方がいましたが、いいわけないんです(笑)。母親の大変さを考えたら、その大変さをシェアして、助けてあげないといけないですよね。」(渡辺さん)
一方で、「産後クライシス」は一方的に父親に責任があるということで片付けてほしくないと言う渡辺さん。
「働く女性は、育児休暇などで収入が減ると、一家のなかの稼ぎ手は父親に傾きますから、自分の収入が減ったことで、何かお願いしにくい、といったこともあるようです。子育ては、お金には替えられない価値のあるもの。どんなふうにつらいのか、してほしいこと、手伝ってほしいことなど、男性に伝えることも必要です。男性側はなかなか気持ちを汲み取れず、良かれと思ってやった家事を迷惑がられたりすることで悩んだり戸惑ったりもしていることもあります。」(渡辺さん)
同じ屋根の下で一緒に暮らしていると、そんなこと言わなくても分かるでしょ、とコミュニケーションを怠りがち。「産後クライシス」は、こうした夫婦間のコミュニケーションが足りないことが大きな原因のようです。どんなことに不安を感じていて、どう変えていきたいのか。不満をぶつけるのではなく、丁寧なコミュニケーションを心掛ける必要がありそうです。
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