安価で安全で『N BOX』が優位か!?
軽自動車で最も売れているホンダ『N BOX』を買う人の多くが、同じタイプであるダイハツ『タント』と、スズキの新型車『スペーシア』をリストに挙げ、検討することだろう。迷った時のガイドになるよう、それぞれの特徴と弱点を列記してみたい。一般的に買った後で「しまった」と後悔するのは弱点の部分だ。まず価格から。比較する場合、ベースグレードが最も分かりやすい。ということでN BOXの『G』を見ると126万円。タントのオーディオ無し『L』は119万9000円。スペーシアの『G』で122万8500円になる。価格だけ比べれば割高なN BOXは厳しい。けれど装備表を見ていくと、N BOXはとても充実している。
何と優れた事故防止効果を持つ横滑り防止装置が標準で付いている。言うまでもなく単独で起こした自動車事故を分析すると、滑りやすい路面でコントロールを失った時に発生している。横滑り防止装置さえあれば、事故の確率を大幅に減らすことが可能(一般的に90%減などと言われる)。運転を得意としないドライバーなら大いに役立つ。
さらに温度調整が圧倒的に楽なオートアエアコンや、キー操作することなく施錠&解錠出来るプッシュボタン式のスマートエントリーまで付く。この3つを合計すると10万円程度の装備。ちなみにタントもスペースアも横滑り防止装置はオプション設定すら無し。タントだとマニュアルエアコン&普通のキーレスエントリーになってしまう。
また、側面から衝突された時に圧倒的な効果を持つサイドカーテンエアバッグは、N BOXのみオプション設定がある。タントとスペースアを選ぶとお金を出しても装着出来ない。サイドカーテンエアバッグが欲しいというなら、N BOXを選ぶしかない。いずれにしろ安全装備に関してはN BOXがライバルを圧倒している。
N BOX G・Lパッケージ (プレミアムホワイト・パール)
ということまとめると、3車種で最も標準的な装備内容を持つスペーシアの122万8000円を基準とすれば、お買い得なのがN BOX。上乗せされている装備を除けば約118万円といったイメージ。最も高いのはタント。スマートエントリーとオートエアコン乗せると約124万円になる。N BOXの人気は当然かもしれない。
ちなみに車内の広さは勝ったり負けたりのイーブン。けっこう違うのが燃費で、こちらは1位スペーシアの29km/L。2位タントで25km/L。3位N BOXの24.2km/L。タントとN BOXの差は無いも同じ。ということでタントとN BOXの比較なら、安価で安全で優位なN BOXを選ぶべきかと。
N BOXとスペーシアで迷ったなら、安全性を優先するか経済性を優先するかで決めればいいと思う。ここは人によって価値観が全く違う。速度が出るような道の無い離島などなら、横滑り防止装置に助けられるようなこともないので不要だと考える。クルマを使う場所の条件によっても大きく変わってくることだろう。