鉄欠乏性貧血とは

赤血球に含まれる酸素を運ぶタンパク質であるヘモグロブリンを作るには、鉄が必要です。体内の鉄が不足するために、ヘモグロブリンが減り、赤血球の色が薄くなって、赤血球の大きさが小さくなります。貧血の状態は大人と同じですが、この鉄欠乏性貧血は子どもでも多い貧血です。

子どもの鉄欠乏性貧血の原因

体内の鉄が不足する原因としては大きく4つあります。
  • 鉄を運ぶタンパク質であるトランスフェリンが不足する先天性トランスフェリン欠乏症などの鉄が利用しにくい環境にあること
  • バランスの悪い食事や下痢などで鉄摂取の不足
  • 感染症などで体内での鉄の使用が増えること
  • 出血などで鉄が失われること
です。

先天性トランスフェリン欠乏症は、遺伝子の異常で、頻度はそう多くありません。

牛乳

牛乳、ミルクには鉄分が少ないです

■乳児期
原因として、生後6カ月頃になると、体内にある貯蔵鉄が一旦無くなってしまうからです。母乳やミルクに含まれる鉄が多くなく、体重を大きく増加するために、使いきってしまいます。

鉄は消化管から10%程度吸収されますので、乳児期では1日5mgの鉄を必要とします。しかし、母乳に含まれる鉄は1リットル当たり1mg程度、牛乳に含まれる鉄は1リットル当たり0.5mgです。このように成長が加速する時期に貧血が見られやすいです。

生後6カ月頃から、免疫力が低下しますので、多くの感染症にかかりやすいために、鉄の消費が増えてしまいます。

症状については
子どもの貧血に気づくポイントを参考にしてください。

■幼児期~学童期
原因としては、偏食が多いです。
ただ、食物アレルギーの治療上、食材が制限されることがありますが、鉄に関して言えば、食物アレルギーの原因として少ない肉類に鉄は含まれています。
「牛乳貧血」と言って、牛乳の好きな子どもは要注意です。長期大量の牛乳を摂取することで鉄欠乏性貧血になります。
思春期以降の女性では、生理による出血により、鉄が不足気味になりますので、疲れやすい、だるい、脈が乱れる動悸、息切れ、めまい、注意力散漫など、訴えのできる年齢では、こうした症状にも注意が必要になります。

次のページで、鉄欠乏性貧血の検査と治療を説明します。