「A列車で行こう」の車両と車内
熊本駅の行き止まり式4番のりば。「A列車で行こう」の発車時間が近づくと、ホーム上のスピーカーからジャズナンバー「A列車で行こう」がBGMとして流れてくる。中々粋な演出だ。2両編成の列車は、黒を基調としつつ、窓回りやレタリングが金色という落ち着いた塗装。Aをデザインしたロゴも洒落ている。JR九州の車両デザインで一躍有名になった水戸岡鋭治氏の手になるものだ。
車内は、ややレトロで西洋風のインテリア。多くの利用客の目的地が天草であることから、キリシタンの歴史が残る教会や南蛮文化をモチーフにして、ステンドグラス風の窓などを設置している。
車内のウリは、1号車の後ろ半分を占めるカウンターバー。ドリンクのイチオシは、熊本名産のデコポンをミックスしたハイボール。アルコール飲料を扱うことで、家族連れよりも大人のムードある旅を演出している。
買ったドリンクは、席に戻って飲んでもいいし、カウンター脇にあるソファーに座って寛ぎながらたしなむのも洒落ている。メニューには、ビールやワイン、それにソフトドリンクもあるので、お好みに合わせてどうぞ。
もちろん乗車記念グッズもキーホルダー、バッヂ、クリアファイル、絵葉書など各種取り揃えている。発車前から、カウンターバーには多くの乗客が列をつくって順番待ちするほどの人気ぶりだ。なにしろ、熊本から三角までは40分程。乗車時間が短いので、ゆっくりしていたらあっという間に終点に着いてしまう。100点満点をつけたい列車の唯一のマイナスポイントは乗車時間の短さだろう。