ビール/おすすめベルギービール

自宅で「シメイ レッド」を楽しもう

2杯目はシメイ レッド。修道院内で消費していたトラピストビールを世界で最初に売りだした修道院ビールです。ベルギーでよく食べる、羊を使った料理との相性はとても良いので、この機会に試してみて。

執筆者:滝沢 健二

シメイ レッド

シメイ レッド

シメイ レッド

修道僧がワインを飲むことは有名ですが、ベルギーではほとんどワイン用の葡萄が栽培できません。その為、ベルギーの修道院ではビールを造って飲んでいます。

トラピストビールは直訳すると修道院ビールとなりますが、カソリック会より認定された世界で8修道院のビールのことだけを「トラピストビール」と呼ぶことを許されています。

現在もベルギーの修道院では基本、大麦、小麦、ホップを作って牛を飼っていて、大麦とホップでビールを造り、小麦でパン、牛乳でチーズを作って自給自足の生活をおくっています。

シメイビールはベルギー南部のエノー州シメイ町にあるスクールモン修道院で現在も造られているトラピストビールです。シメイ城を中心として出来た町なのでシメイ町。シメイ町の外れにあるスクールモン修道院がビールを販売する際に、お城が応援してくれたので名前はシメイとなりました。

スクールモン修道院は酵母の培養を安定して行う技術を確立し、世界で最初に販売を開始した修道院です。その後シメイに続けと多くのビールが生まれましたが、シメイは現在でも世界売上No1の修道院ビールです。

日本にシメイ レッドの輸入が開始されて30年程たちますが、このビールでベルギービールを好きになった人も多いのではないでしょうか。歴史だけでなく、味わいと魅力でも日本におけるベルギービールのスタンダードの一つです。

若干赤みと、曇りのあるブラウン。ホップの 強い苦みはなく、モルト
CHR

ボトル内に酵母を残すよう、ゆっくりとグラスに注ぐ

の甘さと、 軽い糖質の焦げたカラメル味、若干熟した果物のような香り、酵母の香りも絡んでいます。
シメイ レッドと似た色のベルギービールは多数ありますが、酵母の香りを上手く残しているので味はしっかり個性的です。修道僧が日常愛飲しているシメイビールは、 レッドよりもずっと低アルコールのビールなのでお間違いなく。

口の開いたグラスを傾けて、ゆっくりと注いで下さい。ボトル内に酵母が沈殿しています、上部だけ飲むとクリアな美味しさ、酵母を注ぎきるとホロ苦い酵母味になります。

素材の味を活かして

シメイ レッドは冷蔵技術がない時代からの、ダブル(ドゥーブル)と呼ばれる醸造方法をベースとして造られています。そのため、飲みごろ温度も10℃~12℃と若干高く設定されていています。

自宅なら少し低めの7℃(少しぬるいビール)程度でグラスに注いで、少し時間を掛けて飲みながら、温度変化を楽しむ手もありです。

強い苦味はなく麦汁の甘さと酵母感を楽しむビールなので、合わせる料理は素材の味を活かしたシンプルな料理がお勧めです。ベルギーの古典料理なら、薄切り肉でミンチや野菜を巻いて煮込むベルギー風のミートローフ(オワゾー サン テット)や、家庭で良く食べるミートボール(ブーレット)がお勧めです。仔牛や羊料理も良く合います。
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