「待機児童」の定義とは?

赤ちゃん

待機児童は増えているの? 減っているの!?

そもそも、2001年までは「待機児童」というのは、認可保育園に入りたくて申請しても入れなかった子どものことを言っていました。たとえば認可保育所に入りたいと申請しながら、別の認可外保育園に入れている子どもについても、「待機児童」として扱っていたのです(この数字を「旧定義」とよんでいます)。

ところが、待機児童を抱え、その解消のために独自の補助金を認可外保育園に出して助成していた自治体から反発の声が出て、この数え方が変わりました。認可保育所に申請していて入れなかったものの、その自治体が補助金を出して運営されている認可外に入れている子どもについては「待機児童」とカウントしないことになったのです。それが「新定義」と言われるものです。

「影の待機児童」が大勢いる!

それでも、2007年までは「旧定義」「新定義」の両方で発表されていたのですが、2008年からは「旧定義」の数字はまったく発表されなくなってしまいました。そこで、見た目の待機児童の数字と、実際に保育園に入りやすいかどうかの「体感」がずいぶん違っているという状態になってしまっていました。

今回、東京新聞の調査(2月26日付朝刊)によれば、東京都内で1万9000人の子どもが認可保育園に申し込んでいながら、入園できなかったことがわかっています。たとえば杉並区では、認可保育園に入れなかった子どもが実に1833人。本来、「旧定義」の待機児童数なら、この数字が発表されるはずなのに、杉並区が出していた「新定義」の待機児童数はたったの52人。とにかく天と地ほど差があります!

「52人」という数字を見て「杉並なら保育園に入れるかも!」と、わざわざ杉並を目指して引っ越してきた子育て世代もいたはずです。彼らが、「入りやすいと思ったのに、全然入れなかった!」と愕然とするのも当然のことでしょう。

認可保育所には預けられないと、はなからあきらめている人も大勢います。こういった「影の待機児童」の数が、実際に何人いるのか、はかり知れません。

安心できる子育て環境を!

不景気で、共働きの親が増えてきています。しかし、保育園は働く「親」のためのものではありません。本来、保育園は「子ども」のためのもの。子どもにとって必要な時にきちんと手当される必要があります。

たとえば、働いている親に事故や病気など万が一のことがあって働けなくなったり、リストラされて仕事を失ったり、あるいは離婚することになるなど、誰にでも予想外の出来事が起こる可能性はあります。そういったときに、子どもの充実した生活の場、保育の場として存在しているのも、また保育園です。

そういった場があるからこそ、いま、働いていても、いなくても、私たちは安心して子どもを育てていけるのです。待機児童がいないのはもちろん、子どもにとって必要だと判断されたら誰でも、親が働いていてもいなくても、質のいい保育施設に預けることができれば、少子化にも一石を投じることができるのではないでしょうか。



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