資産運用/1000万円を作る資産運用法

エマソブで1000万円をつくる

お金を増やすには効率的に行いたいですね。効率性の目安に、小さなリスクで大きく増やすという考え方があります。価格のブレを最小にして収益を最高にすることが快適だと受け止める人には、効率性は大事です。過去10年間にもっとも快適だった資産は、エマソブでした。

北川 邦弘

執筆者:北川 邦弘

はじめての資産運用ガイド

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1000万円を投資信託でつくる場合、何に投資したら正解だったでしょうか?

「グロソブ」って、ご存知ですか?グローバルソブリンファンドといって、かつて日本でもっとも売れた投資信託です。多くの人が当たり前のように持っていましたから、「グロソブ」という略称で通じてしまうポピュラーなファンドでした。

しかし、時代は変わり、おススメの投資信託は「昔グロソブ、今はエマソブ」と申し上げたいのです。

昔グロソブ、今はエマソブ

「エマソブ」とは、エマージングソブリンの略称。エマージングとは新興国を指し、ソブリンとは国家債券(国債)のことです。エマージングソブリンを日本語に訳せば、新興国債券となります。

リーマンショック以降の有望なアセットクラス(資産種別)として、新興国債券の存在を私は以前から指摘してきました。

「新興国債券ファンドに熱い注目」

あれから4年が経ち、その現実はどうなっているでしょうか?

エマージングソブリンの優れているのは効率性


ここにおもしろいデータがあります。2012年12月末までの10年間のリターン(年間収益率)とリスク(標準偏差)の統計です。リターンとは年率で何%増えたかということ、リスクはどのくらいの幅で値動きがぶれていたかということを表しています。

過去10年間のリスク&リターンのデータ

過去10年間のリスク&リターンのデータ


日本株から北米リート(不動産投信)までの主要なアセットクラスの成績を一覧にしました。

これを、「リターンとリスクの分布」として図表にすると、以下のようになります。

過去10年間のリスク&リターンの分布図

過去10年間のリスク&リターンの分布図


上にあるほどリターンが高く、左にあるほどリスクが小さいので、新興国債券(リターン:8.7%、リスク:9.1%)がダントツに効率的だったことが分かります。効率的とは、リターンが高くリスクが小さいことです。

同等のリターンが得られた韓国株や北米リートでは、新興国債券の3倍以上のリスクを取らなければならなかったのですから、効率的とはいいがたいのです。

10年前にエマソブを持っていたら

 最後に、グロソブとエマソブの絶対収益を比べてみましょ。10年前にグロソブとエマソブを持っていたら、現在の価値はいくらになっていたでしょうか?

グロソブで500万円を10年間運用していたら、現在の価値は642万円。

エマソブで500万円を10年間運用していたら、現在の価値は871万円。

だんぜんにエマソブがグロソブに勝っていました。過去のすう勢が続くと思えませんが、過去10年間で資産を増やすことにあたり、効率が最高だった資産クラスは新興国債券であり、商品で言えばエマージングソブリン投信でした。

これを参考にして、皆さんの1000万円つくりを構想してみてください。
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