ハイブリッドと普通のエンジンの決定的な差は「燃費」
新型クラウンのハイブリッド車
決定的なのが燃費。今回、スタート場所とゴール場所を同じに設定し、20kmほどの周回コースを走ってみた。運転による差が出にくいよう、基本的にクルーズコントロールを同じ速度に設定。信号待ちは数カ所レベルなので、アイドリングストップが付いていない普通のエンジンもあまり不利にならない。
果たしてどうか? 何と!ハイブリッド仕様は20km/Lと、JC08モードの燃費である23.2km/Lにこそ届かなかったものの、上々のデータ。街中を燃費を気にせず走って15km/L前後だろう。高速道路の100km/h巡航なら20km/Lを超える。
かたや普通のエンジンは10km/L。従来型クラウンと比べれば向上しているけれど、ハイブリッドの燃費を見てしまうと厳しい。ちなみに走行1万kmあたりの燃料コストは、ハイブリッドの方が10万円くらい安い。さて。ハイブリッドと普通のエンジンの価格差は53万円。
ハイブリッド仕様の燃費は20km/Lと上々のデータ
いや、ハイブリッドなら、ECOカー減税をフルに受けられるため、アストートSで25万円くらい節税になる。したがって実質的な価格差は普通の2.5リッターエンジン搭載車と25万円前後。2万5000km走っただけでモトが取れてしまう。車両価格+ランニングコストを考えればハイブリッド超有利!
走りはどうか? 普通の2.5リッターは上質だと言われるV型6気筒。ハイブリッドになると4気筒となってしまう。これまた乗り比べてみたら、全く気にならず。なんたってハイブリッドなら4気筒エンジンで最も不利なアイドリングをしない。車両が止まったらエンジンも止まっている。
加えて走行中はエンジンの振動を抑えるバランサーが付いているため、4気筒特有の微振動をキッチリ消しているのだった。絶対的な出力で言えば、普通の2.5リッターの203馬力に対し、ハイブリッドのシステム出力(エンジン+モーターの合計出力)は220馬力。3リッターに匹敵する。
決定的なのが発進時の質感。普通の2.5リッターエンジン搭載車は、アクセルを踏むと安っぽく飛び出す。ハイブリッドはアクセルの踏み方に応じたパワーを発生。しかも素晴らしくリニア。少し踏めばジェントルに。深く踏むとチカラ強く走り出す。これだけでハイブリッドを選ぶ意義がある。
旦那仕様のロイヤルとスポーティなアスリートの差は足回り。ロイヤルの方が路面からの微振動を伝える。アスリートなら滑らかな乗り心地でいながらシャープ。これまた迷うこと無くアスリートをすすめておく。なのに普通のエンジンのロイヤルも売れているそうな。このあたりが面白い。