株式投資をする上で重要な情報の裏側
新聞から情報を得るときのポイントは……
新聞には毎日様々な記事が掲載されています。企業が発表していない新商品・新サービスのことが新聞に掲載されることがありますが、なぜ企業がまだ発表していない事を新聞に掲載出来るのでしょうか?今回は、「なぜ、未発表の事が新聞に掲載?」について、「情報の裏側」まで解説しましょう。
リーク記事
実はその答えは簡単です。企業側がリーク(「漏れる」を意味する英語;情報漏洩)をしているからです。自社の新商品・新サービス等は、どの会社も新聞に記事として掲載してもらい、大々的に告知したいと考えます。しかし、新聞の紙面は有限です。日々様々なニュースが記事として掲載されますが、紙面の都合で掲載されないニュースもあります。企業に情報をリークしてもらって、事前に準備出来ている原稿をストックしておくことは、新聞社としても重要です。ニュースがあまりない日でも、紙面を埋める必要があるからです。このように新聞社と企業の双方にメリットがあるために、リークが存在すると思われます。それでは、どんなニュースでもリーク出来るの?
インサイダー取引の対象となる重要事実は、さすがにリーク出来ません。重要事実には、合併や業務提携、解散など会社自らが決定した『決定事実』、資源の発見や取引先との取引停止、主要株主の異動などその会社の意思によらずに発生した『発生事実』、会社の決算や業績予想に関する『決算情報』、このほか「会社の運営、業務又は財産に関する重要な事実であって投資者の投資判断に著しい影響を及ぼすもの」として『バスケット条項』があります。
新商品・新サービスの提供は、『決定事実』なので本来はすべてリーク等出来ない情報となります。しかし、どんな決定事項でもインサイダー情報になるのではなく、重要事実に当たらない事を判定する軽微基準があります。新製品や新技術を企業化する際に見込まれる出費が固定資産額の10%未満で、当該製品の売上見込み額も売上実績の10%に満たない場合は重要事実に該当しません。また、商品のように形のあるものではなく、新しいサービスを開始するといった場合についても同様です。
ほとんどの新商品・新サービスは、いきなりその企業の売上高の10%を超える事はないので、企業は、新商品・新サービスについて、新聞社等にリーク出来ると言う訳です。
逆に考えれば
という事は、情報をリークしてもらって記事化されたニュースは、売上高に対して10%未満の影響しかないと当該企業が考えているニュースとも言えるのです。基本的にリークによって記事化された場合、記事が掲載されてから、後追いでその企業がプレスリリースすることが多いです。新聞に掲載されている記事をそのまま鵜呑みにするのではなく、この記事のソース(情報源)はどこか考えると、「情報の裏側」を考える事が出来ます。
そうすると株式市場の半歩先読みが出来るかも知れませんね。
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