株式投資をするなら情報の裏側を知りたいもの
まいど、相場の福の神こと藤本です。株式投資を行うには情報が大切です。その情報がそのようにして作られているのか、「情報の裏側」を知れば、よりその情報を活用する事が出来ます。今回は、株式の朝のニュースでおなじみの、「外資系証券寄り付き前注文状況」について「情報の裏側」まで解説しましょう。
外資系証券寄り付き前注文状況
現在の日本株式市場のメインプレイヤーは残念ながら日本人ではなく、外国人投資家です。東京証券取引所が発表している売買主体別売買動向の2013年3月第1週のデータでは、約定代金ベースで、法人8.8%・個人投資家27.8%・外国人投資家61.2%、証券会社2.2%と実に6割以上を外国人投資家が占めています。だから、外国人投資家の動向をチェックする事は重要です。そこで個人投資家に人気の情報が、「外国証券寄り付き前注文状況」です。
平日の8:00~8:50に、ネット証券でログイン後に読めるロイターニュースや株式新聞速報ニュース等で配信されています。また、Trader’s Webでは、当日分とともに過去のデータも誰でも無料でご覧いただけます。
例えば、3月15日に配信されたニュースがコレです。
2013/03/15 (金) 08:18
寄り付き前の外資系証券経由の注文状況は、
差し引きで630万株の買い越し見込み
売り注文 3730万株
買い注文 4360万株
8営業日連続での買い越し
何でこんな事が分るの?
個人投資家は、このニュースを見て、「今日は外国人が買い越しだから高くなりそうだ」などと考える訳です。なぜ、こんな情報が流れるのか、「情報の裏側」を解説しましょう。実はこの売買状況の数値はいい加減です。取引所だとか日経新聞だとか正式なところが決まって発表しているものではありません。また、すべての外資系証券の注文動向を反映しているものでもありません。この情報は、証券会社の関係者が業界内で回覧していた情報が、外に漏れたものです。各外資系証券の売買担当者が、自社の寄り付き前の売買状況について、FAXやメールで情報を提供して、会社の業務としてでなくボランティアで関係者が集計したものを、各外資系証券の担当者に情報として流します。それをマスコミ関係者が毎日ヒアリング(電話取材)を行い、ニュースとなっています。
各外資系証券の売買担当者が報告する自社の注文状況は、本当の数字では無く、適当な数字を書いていると思います。何故ならば、正直に書くと大量に買う(売る)事を事前に、敵である他の証券会社に知らせる事になるからです。
昔は、外資系証券だけでなく、大手4社(野村・大和・日興・山一)の寄り付き前注文状況も作られていました。実は、藤本もこの担当者をしていたことがあります。そのときも、適当な数字を書くことがありました。
だから、この「外資系証券寄り付き前注文状況」については、細かい数字にこだわらず、大きな流れとして買っている・売っていると判断した方が良いでしょう。
*正確かつ信頼しうると判断した情報源から入手しておりますが、その正確性または完全性を保証したものではありません。
*藤本が個人的な考えを掲載したものであり、藤本が所属する機関、組織、グループ等の意見を反映したものではありません。