学生だけでなく、社会人をターゲットにする物件も
エリアにもよりますが、学生だけで空室が埋まらないと、次の入居が一年先ということもありえます。そこで、学生以外の社会人単身層も対象とするケースも出てきました。また、入居した学生がそのまま社会人になっても住み続けるというケースもあるようです。ただし、こうした傾向は、学生のみの入居を前提とした学生マンションとさらに差がつくポイントにもなっています。学生マンションは、学生のみが居住者ということをウリにしているため、社会人の入居は、生活スタイルの違う人が同じ棟に住むということで、ややマイナスポイントにはなります。
また、近隣に企業などがあまりなく、学生がメインターゲットの立地の場合には難しいケースもあります。ファミリー世帯を受け入れるには間取りが厳しく、中には早めに売却する判断をする大家さんもいます。
学生に喜ばれる物件に
ターゲットを学生と決めているならば、その土俵で、他の物件よりも選ばれる物件を目指しましょう。たとえば、同じ学生でも、女子学生は、セキュリティや防犯を重視します。オートロックやテレビモニタ付きインターフォン、あるいは警備会社との連携など、女子学生をターゲットとした施策はいかがでしょう? 室内物干し置場用のフックを付けるだけでも違います。女性は室内で洗濯物を干すことが多く、そうしたことへの配慮は有効です。壁紙の色を選べるといった遊び心や、洗面・化粧台などの整備はいかがでしょう。女子学生限定とするといった戦略もあるかもしれません。学生寮の人と人とのつながりも参考に
特定の大学のそばの物件であれば、学生寮のよさも参考にしてみてはいかがでしょう? ゆるやかな人と人との結び付きです。いきなり寮の野球チームを作ったり、寮のリーダーを決めて歓送迎会を始めたりするのは無理があります。それでも、物件の出入り口の掲示板に、授業のノートのコピーの募集の掲示ぐらい許可してあげたら、ゆるかな結び付きができて退去も減るかもしれません。インターネットは学生生活に不可欠
いまや学生生活にインターネットは不可欠です。授業の宿題のレポートや就職活動などさまざまなものに使われます。インターネット回線完備のマンションなど、ネット設備のあることをメリットにして、ほかの物件との競争に勝とうという大家さんも増えています。昨今はスマートフォンなどもあり、wi-fi接続などの端末も増え、必ずしも回線接続がベストとはいえないかもしれません。とはいえ、近隣物件よりも、なにかひと工夫をして差別化を図ることも大切です。「合格前予約」も有効な募集方法
また、学生会館や学生マンションでは、合格前に部屋を予約することが可能です。卒業して退去する人を見込んで、予め、空室を予測し、早い会社は受験日に入居相談を行っています。民間賃貸でも「合格前予約」と称して、成功している事例があります。広島大学の前のプランニングサプライという会社は、この方法で入居者獲得に成功しています。最近はAO入試や推薦入学など、受験の方法や機会も様々でかなり早期化しています。ならば募集する側もそれに対応していくことが競争に勝つコツではないでしょうか?ライバル物件の良さを研究して、競争に勝って行くことも大切。工夫次第で、まだまだ空室を減らす余地はあるはずです。