おとぎの国のような街中にある「カフカの家」
プラハ城の敷地内の聖イジー教会から北側に進むと緩やかな坂道となります。その左手に細い路地に、カラフルな色彩の小さな家が並ぶエリアがあります。そこでNo.22の表示がつけられた家が、カフカの家です。プラハ城を見上げる細い路地は、黄金小路と呼ばれています。1597年頃に作られた道には当初は、プラハ城に仕える召使い達が住んでいましたが、神聖ローマ帝国皇帝ルドルフ2世がボヘミアを治めるようになった時代には、錬金術師が住むようになり、黄金小路と呼ばれるようになりました。
入口は身をかがめないと入れないような小さな家々の壁は、色とりどりに塗られ、おとぎの国をさまよっているような感覚になります。今ではお土産屋となっており、格好のショッピングスポットとなっています。
この路地沿いのNo.22の家は、フランツ・カフカが仕事場として利用しました。旧市街の下宿の騒々しさに悩まされたカフカが、1916年11月から7ケ月間、毎晩ここに通って作品を書いたのです。
『変身』や『審判』などの代表作はここで生まれたのでしょうか。現実社会からかけ離れた世界が描かれるカフカの作品と、可愛い感じの創作現場が遊離しているように感じられます。カフカがここに通っていたのは、『変身』や『審判』の執筆後のことでした。
■黄金小路 カフカの家
TEL:224-373-368
営業時間:5~10月/19:00~18:00、11~4月/9:00~16:00
定休日:年中無休
公式HP(黄金小路):http://www.zlataulicka.eu/zlataulicka/Zlate_ulicky.html
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