アンデルセンの作品をモチーフにした 「人魚姫の像」
デンマークを代表する作家といえばアンデルセン、そのアンデルセンの代表作は『人魚姫』です。この『人魚姫』をモチーフにしたブロンズの像が、コペンハーゲン北東部ランゲルニエ地区の海岸線につつましやかな姿で建っています。ビール製造メーカとして広く知られるカールスバーグの第2代社長のカール・ヤコブセンが、人魚姫の物語を演じたバレエに感銘し、1909年に像の制作を立案しました。彫刻家エドヴァルド・エリクセンが、その希望を実現し、1913年8月に公開されるようになりました。
以来、コペンハーゲン市民に愛され、美のシンボルとなりました。あまりの美しさのため、その美しさを自分のものにしようとして、1964年4月と1998年1月の2度、首が切り落とされ持ち去られたり、1984年には腕がもぎとられたりという、とんでもない事件が起こってしまいました。その度に市民の希望によって元通りに修復されています。
ところが、シンガポールのマーライオン、ブリュッセルの小便小僧とともに、「世界3大がっかりスポット」にランクインされています。確かに海の波間にひっそりと佇む姿は、絶景ポイントでもなければ、娯楽的要素ももっていません。
でも、歴史的にもコペンハーゲン市民が個人所有したくなる彫刻です。市街地の観光スポットからそれ程離れていないため、少し足を伸ばして一目見て、自分なりのがっかり体験をするのも悪くないと言えます。
■人魚姫の像
住所:Langelinie, 2100 KØbenhavn