「共同医療センター」を彩る7人の医師
そこで働くメインの医師7人を紹介しましょう。まずは、妊婦のおなかの中にいる胎児を治療する、全米屈指の新生児医療の名医のアディソン。対するナオミは生殖医療を専門としていて、不妊治療をする夫婦や女性を対象としています。そんなナオミと一緒に医療センターを立ち上げたのが、ナオミの元夫であり、現在もよき理解者であるサム。彼は内科をメインにしていて、専門書籍などもぼちぼち売れている有名医師です。次に、鍼やお灸など代替医療とよばれる分野を専門にするイケメン医師のピートに、心理学の権威である少し変わった女性のヴァイオレット。ヴァイオレットの親友で心優しい小児科医のクーパーにクーパーの彼女でツンケンした無愛想美女医師のシャーロット。シャーロットのみ共同医療センターではなく、近くの大学病院に勤務しています。共同医療センターでは対応できない場合に、患者をシャーロットが務める大学病院に移送して治療するのです。こんな感じでメンバーそれぞれ多種多様。主役2人が「妊娠」「出産」を専門としているため、ストーリーはやはりその分野よりに。でも決して重くないのです。そこにあるのは「命の誕生」と「命の選択」。決して答えの出せない難題が患者とともに次々と舞い込みます。
答えの出せない難題ばかり……
例えば、余命数カ月だと分かっていて、お腹の子に異常があるのにそれでも産みたいシングルマザーの女性。自身の子供(双子)が不治の病に。助かる方法は代替医療で双子と同じ遺伝子をもつ胎児を作り産むしかない夫婦。その上、胎児の遺伝子で助けられるのは双子のうち一人だけという悲しい現実。女性のエゴで病にかかった子供を産むの? お姉さんたちを助けるためだけに子供は作られ、生まれてくるの? その上、親が子供の命の選択をするの?親友同士のアディソンとナオミの意見はいつも対立。産む女性側の権利を主張するアディソンと生まれてくる子供のことやモラルを大切にするナオミ。どちらが正しくてどちらが間違っているかなんて私たちには分かりません。ただ、ナオミは元夫サムとの間に愛娘がいて、アディソンは妊娠できないでいるだけの違い。このあたりが2人の主張が強く異なる原因なのかもしれません。
ここまで聞いて、「十分ヘビーやん!」とお思いでしょうが、答えのない問題ばかりを抱えているため、見ている内に彼女たちが悩みに悩んで出した結論に寄り添いたいと思うのです。それはこの作品を観る女性だけではなく、男性も同じ気持ちに。「妊娠」とか「出産」をテーマにした作品は気まずいと思う以前に、本能的にこの作品にひかれ、気づけば次のエピソードに手が伸びているのですね。
『プライベート・プラクティス:LA診療所』 作品情報
●制作スタッフ:
ションダ・ライムズ
●キャスト:
ケイト・ウォルシュ(アディソン・モンゴメリー)、オードラ・マクドナルド(ナオミ・ベネット)、テイ・ディクス(サム・ベネット)、ティム・デイリー(ピート・ワイルダー)、ポール・アデルスタイン(クーパー・フリードマン)、エイミー・ブレネマン(ヴァイオレット・ターナー)、ケイティ・ストリックランド(シャーロット・キング)
●DVD・放映情報:
シーズン1~4までDVDレンタル中
シーズン5が有料チャンネル「WOWOW」で放送中
●番組情報サイト:
公式サイト
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