5歳ですでに気づいている心の因果関係
子どもにプラス思考をプレゼント
(画像:イラストわんパグ)
その研究では、5才~10才の90人の子ども達を対象に、考え方が、感情や気持ちにどう影響するかの理解度を調べました。なお、子ども達対象の研究ということもあり、いずれも試験官がイラストを用いながら、口頭で説明を加えるという形式で次のように実施されました。
まず、2人のキャラクター、A君とB君が登場し、それぞれが次の3つの共通の体験をします。
- ポジティブな出来事(子犬をもらってくる)
- ネガティブな出来事(牛乳をこぼす)
- ニュートラルな出来事(新しい先生が来る)
それぞれの出来事の後、
「A君は子犬が家にやってきて○○と思いました」
「B君は子犬が家にやってきて××と思いました」
のように、試験官が2人の心の中にある考えを子ども達に伝えました。
その際、○○と××だけは変えて、A君の捉え方は3つの出来事ともポジティブに、B君の捉え方は3つの出来事ともネガティブにしました。そして子ども達に、A君、B君のその後の感情がどう展開するかを予測させたのです。
さらに、子ども達とそれぞれの親全員の希望度(先々をどう見るか)、プラス思考度(ポジティブシンキングのレベル)も計測しました。
そこで分かったのが、その研究での最年少、5才の子ども達でも、ポジティブに考えると前向きな気持ちになり、ネガティブに考えると後向きな気持ちになるという関係を理解していたということ。そして、その理解促進に最大の影響を与えるものが発見されたのです。
>>次ページはその「最大の影響を与えるもの」についてご紹介します。
出典:アメリカの学術誌 Child Development (2011)「Looking on the Bright Side: Children’s Knowledge About the Benefits of Positive Versus Negative Thinking」より