軽井沢から小渕沢の絶景を窓から味わう
軽井沢で長野新幹線を「しなの鉄道」に乗り換えると旅が広がります。標高940mの軽井沢駅は新幹線の駅では一番高い地点にあります。そして、しなの鉄道は軽井沢から篠ノ井間、元信越本線の一部区間を使用した第3セクターの鉄道会社です。軽井沢から峠を越え、「峠の釜めし」の横川までのルートは新幹線の開業とともに廃止され、現在は路線バスで空いた区間を埋めています。軽井沢周辺の紅葉は既に終わり、沿線の森はふわふわの落ち葉で満たされているようです。中軽井沢を過ぎると、どんと浅間山が姿を現します。
標高660mの小諸は紅葉の真っ盛り。小諸止まりのしなの鉄道を「小海線」に乗り換えるため跨線橋を渡ると、110系のディーゼルが停まっていました。
佐久平、中込、臼田、八千穂など中間駅の小海を過ぎるまでは住宅が多く、どこにでも見られる景色が続きますが、小海を過ぎると山間に入り千曲川も町の川から渓流へと表情を変えます。山間に入った分、車内の温度はどんと下りました。
信濃川上を過ぎる頃、列車は高度を上げつつ、西に向かい、眼下を流れていた千曲川は東へ向きを変え、小海線はようやく高原列車となってきました。疎らな林を抜けると黒い土の農場が広がり、収穫も終わり、傷んだキャベツがゴロゴロと転がっていました。野辺山を過ぎると、JR最高地点1,375mの印が見えます。ちなみに1,345.67mの野辺山駅が一番高いところにある駅です。
秋も終わりの日曜日の夕方。清里に降りたのはこの親子一組だけでした。本日宿泊の清里ユースホステルまで、閑散とした町を歩きました。翌日、清里からの小海線は思いの外、長い間、光りがチロチロと変化する森をたどりつつ下って行きます。森を抜けると甲斐駒ケ岳が大きく見え、ぐうっと左にカーブして下って、小淵沢に到着します。
小淵沢では今回最大の目的がありました。それは乗り換えの特急あずさを待つ間にお茶を買うことです。缶やペットボトルではなく、陶器製です。たぶん日本国中で小淵沢だけでしょう。うれしくて、次に駅弁を買う初老の夫婦づれに陶器製のお茶入れが珍しいことを教えると、「なにそれ」と言う顔をされました。
■しなの鉄道 軽井沢駅
住所:長野県北佐久郡軽井沢町軽井沢1178
電話番号:0267-42-6257
URL:www.shinanorailway.co.jp/area/karuizawa.php
■小諸駅
住所:長野県小諸市相生町1-1
電話番号:0267-22-0141
URL:www.shinanorailway.co.jp/area/komoro.php
■小渕沢駅
住所:山梨県北杜市小淵沢町1024
URL:www.jreast.co.jp/estation/station/info.aspx
■小淵沢駅弁 株式会社 丸政
TEL:0551-36-2521
URL:http://www.genkikai.org/marumasatop.html
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