日本でも有数の規模を持つ、近現代美術のコレクション
JR佐倉駅駅前には川村記念美術館行き専用バス停があります。ぽかぽか暖かいお日様の差し込むベンチで本を読んでいると、30分ごとに迎えに来る美術館行きの無料バスが、時間通りにやってきました。バスは、町を抜け、鹿島川を渡り手前を左に折れ、見渡す限りの刈田の中を進み、坂を登って美術館の森の中へとバスは入って行きます。川村記念美術館はDIC(旧社名大日本インキ)が収集した美術品を公開するために1990年にオープンしました。「作品」「健康」「自然」の三要素を調和させた美術館であるとパンフレットには書いてあります。
チケット販売所でクレジットカードを見せると100円引きで入館できます。ゲート潜り、森中のS字の道を下る。花の季節になれば、きれいだともパンフレッには書いてあります。
第1展示室では、ルノワールの裸婦像が迎えてくれます。他にはモネ、シャガール、ピカソ、マティス、フジタなどのが一堂に介しています。
モネの「睡蓮」にハッとして立ち止まり、模写を始めました。デスケルをのぞくと、3Dに見えるような気がします。池に浮かぶ睡蓮。水に映る森と雲の浮かぶ空。その配列は山水画のようで、水や森の香りを感じます。
日本画の展示室には長谷川等伯や尾形光琳の作品が置かれ、他に加山又造の「鶴舞」の四曲一双の屏風絵なんとも素晴らしいです。左には二羽、右には三羽の鶴が朝もやの中、舞っている。五羽はずっと待っていてくれたように喜んでいます。思いもかけず、加山さんの絵に会い、言葉がない。左側の四曲の二羽を一心にスケッチしました。
その後の展示室は現代美術が続きます。楕円形の白い部屋の左右にはブラインドを下げた大きなRの付いた窓。中央の壁にはオレンジ塗られた巨大な長方形。トップから照明。階段からそれは見ることができます。バーネット・ニューマン「アンナの光」。丁度、西に傾いた日差しで木の影がブラインドに映し出されて美しさを増しています。
現代美術の巨匠ステラやキーファーの作品も展示されています。最後にはアンディ・ウォーホールのマリリン・モンローの彩色ポスターが並んで見送ってくれます。
■DIC川村記念美術館
住所:佐倉市坂戸631番地
電話:0120-498-130
URL:http://kawamura-museum.dic.co.jp/
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