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一週間後に基本デザインの打合せをひかえて、ラフ案を具体的な構造・素材・ディテールにまとめる作業にとりかかる。いつもの事だが、日頃持ち歩いているスケッチブックが役立つ。日頃持ち歩いているスケッチブックを広げて・・・・・→
何気なく開いた情報誌の写真の切り抜きや思い浮かんだ部分部分のイメージを描いたソレは、ボクにとっては宝物。歳のせいか、どんどん湧いたイメージを忘れていく(誰かが、ソレはりっぱな力=老人力・・・まだ早すぎるが、気持ちよいほど忘れていく)から、こうして書き留めておく。
ソレらを見ながら、詳細を詰めて行く。
最近ではテーブルの上で、黄色のロ-ル状トレーシングペーパーを巻き紙のようにして、各々のデザイン画を書き込む。
黄色のペーパーに色鉛筆で描くのは気持ちがいい。使用する木材や金物、布サンプルをその上に置いて検証。。。。。肝心のデザインアイデアは、千客万来のごとく湧いてくる。
ただ、なかなか、『コレだぁ!』と納得ができない。
ついつい時間を忘れて、気がつくと・・・・・朝方。打合せまで後数日というのに、出てくるのはため息。。。。。
←やっと納得できるデザインを決定!今度はパソコンで1/10、1/1スケール(縮尺)に立ち上げる・・・プリントアウトしてテーブルいっぱいの図面、図面...これで、打合せに行ける!!
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もう、秋というのにギラギラの福岡空港を後にする→
東京では肌寒い時期になってきたが、九州は、南国・・・ここ福岡は、まだ半袖状態。身軽な格好で出張したことは正解。福岡空港から秋の展示会場である大川産業会館への直行バスに乗り込む。
大川市では、年4回の家具展示会(少々多すぎるのではないのかと思う。。。)が、毎年開催されている。
本来ならば、この秋の展示会に商品を出す企画プロジェクトだったが、我がグループは、スケジュ-ル的に無理と判断。来年度始めの展示会に出展しようと早い時点で決定。しかしながら、この短期間でも商品を完成し、出展したプロジェクトがあるので、その視察を兼ねて基本デザインの打合せとなった。
↑「変化のある集いの場を演出するリビングデザイン・・展示風景
数社のプロジェクトが出展されていたが、中でも目に止まったのは川上信二・玲子氏と広末木工の商品。
日本の座のスタイルを中心に人が集う空間を構成するファニチャー。椅子座と床座を兼ねた座具が、人の集い方に対応して変化し、場を使い分ける。日本の家の道具(広い意味で家具・建具)は、その時々のシーンを演出する為に工夫されてきた(けっして、それだけではないが)。小間の襖をはずして大広間をつくり出したり、お膳を並べて大きなテーブルを構成するような・・・・・自由な感性がある。川上氏のデザインに、集いの場造りを演出する楽しさと日本の感性が見えてくる。
←北欧デザインを日本に紹介しながら、日本のインテリアデザインとの融合をテーマに活動されている、フォルムSKRの川上信二・玲子氏
展示会場の中には、資材・素材コーナーもある。化粧板・ガラス・金属・塗装・・・興味深い素材が所狭しと展示されている・・・・・そんなコーナーの一角で『ああっ!何、コレ?綺麗!』・・・面白いモノを見つけてしまった。
さて、次回は展示会場で見つけた綺麗な素材と我がプロジェクト打合せ風景をお伝えします!
※取材協力:大川家具工業会
※全ての内容について、一切の転載・改変を禁じます。
(C)Oct.2003 Copy & Photo by イシカワデザイン事務所
●椅子やファニチャーデザインのコラムを!・・・『ファニマガ』をお楽しみ下さい。
●石川尚の実況ナマ中継!『ザ・仕事の現場』Part2 バックナンバー
■P2第7話:展示会はオイシィ!
■P2第6話:さぁ、試作UPだ!
■P2第5話:今度はメーカーの番!
■P2第4話:スケッチブックは宝物
■P2第3話:契約してからが大変!
■P2第2話:カメラ、トラブる?
■P2第1話:大川は家具の街