昔乗っていたディーゼルファンにアピール
ディーゼルはコモンレール式燃料噴射装置を搭載。圧縮比は14.9でマツダのスカイアクティブディーゼルには及ばないものの、低圧縮比を実現し、シリンダーブロックを軽いアルミ製にすることができ、軽量化により低燃費を達成した
考えてみると、かつてデリカの2代目、3代目「スターワゴン」と先代の「デリカ スペースギア」時代にディーゼルを積んでいた。筆者はRV雑誌の編集者をしていたからこうしたミニバンに乗る人をよく取材をさせていただいたが、ディーゼルのトルクフルな走りは一度乗ると止められない! という声をよく聞いたものだ。
確かに一度乗るとその分厚いトルクは山道でも苦にしないし、高速での伸びはガソリン車には及ばなくても実用上不足はない。
いま買うならディーゼルで決まり!
円安基調で、ガソリンが高止まりしているいま、ガソリンと軽油の価格差自体は当然ながら20円くらいと変わらないものの少しでも燃料代を抑えられるのはうれしい。
4WD同士の比較だとディーゼルのJC08モード燃費は13.6km/L、ガソリン車は11.2km/Lと2.5km/L近い差がある。なお、ガソリン車の2WDに備わるアイドリングストップはディーゼル、ガソリンともに4WD車には用意されず、ガソリン車の2WDは、4WDのみのディーゼルと同じ13.6km/Lだ。
ここで、デリカD:5の魅力を存分に味わえる4WD同士で比較してみよう。ディーゼルの「D-Power Package」と2.4Lを積むガソリン4WDの「G-Power Package」では、前者が341万9000円、後者は307万2000円。価格差は約35万円ある。
だが、上記した燃費と燃料費の差に加えて、ディーゼル車はエコカー減税で免税になりマイナス14万6500円、クリーンエネルギー自動車対象の補助金もあり、上限14万円の対象車になる。ガソリン4WDも50%免税になるが、これらの恩恵により価格差は12万円程度に縮まる。
装備的には両者ほぼ同等だが、ディーゼルにはフロントドアウェザートリップと冷間時の暖房性能を向上させるスタートアップヒーターが標準装備されるのも魅力だろう。
デリカD:5には、タフな環状骨格のフレーム構造とミニバン屈指の高い4WD性能などがあったが、これにクリーンディーゼルエンジンが加わったことで、個性という面では磨きが掛かったのは間違いない。