カーボン独特の力みが抜け、快適なオープンクルーズ
ホームステッドからマイアミビーチのホテルまで、今度はオープンエアを楽しむ。アメリカのスピード取り締まりは厳しい。ド派手な緑メタリックのランボルギーニでかっ飛んだりすれば、スグにお縄、下手すりゃ監獄だ。オープンにしたときのボディの弱みと、13年モデルから新たに採用されたアイドリングストップと気筒休止という(似合わぬ)2つのエコシステムを試すことに集中する。風の巻き込みはほとんどない。これは、よくよく計算されたAピラーとシート背後の空力デザインによるもので、マイアミのさわやかな風がアタマのてっぺんを軽くなでては抜けてゆく。その間、ボディはまたもやしっかりと乗員を囲ったままだ。たとえばスローテンポで段差を斜めに横切ってみても、ミシリともいわない。ムルシエラゴ以前のロードスターでは、オープンでサイドウィンドウを上げて走ると衝撃で割れることもあったが、そんな心配も皆無といってよさそうである。
むしろ、カーボンボディ独特の力みが抜けて、乗り心地もよく、快適といっていいほどのオープンエアクルーズを楽しめた。
スーパーキャパシタを再始動の電源とするアイドリングストップ。エンジン停止はもちろん、スタート時にも不快なノイズや振動はなく、始動時間もリーズナブルである。せっかちなオーナーにはしっくりこないだろうが、嫌ならカットオフすればいい。アイドリングストップと気筒休止で得られる燃費向上を、たかが7%程度、割り切って考えられる人なら、なおさらだ。
その気筒休止が面白かった。システム的には低負荷の135km/h以下で積極的に6気筒ドライブを促すことになっているが、実際、街中を5~60km/hくらいで走っていると、エンジン音がボボーッとくぐもって、インジケーターが点滅。ランボ初の6発ドライブを知ることができる。けれども、これまた停止と再始動において、音以外に感知することはできなかった。
最新のランボルギーニ。世界最高峰のロードスター。ド派手なグリーンメタリック。マイアミビーチ沿いの渋滞も、実に気分よくガマンすることができたのだった。