産みたいけど産めない!?今のニッポン
4人家族はもはや「基本」ではない?
少子化問題が取り沙汰されるようになってかなり経ちます。国立社会保障・人口問題研究所が2011年に発表した「第14回出生動向基本調査」によると、夫婦の最終的な出生子ども数とみなされる「完結出生児数」(=きょうだいの数)は1.96人。調査開始以来、初めて2人を下回ったそうです。
しかし「子どもを持ちたい」という人が減っているわけではありません。同じ調査で若い夫婦の「何人産むつもりか」(予定子ども数)を見てみると、2010年の調査では2.08人。
この二つの数値の差は「産みたいけど産めない」夫婦がいる、と言うところから生まれているのではないでしょうか?今回はこの「産みたいけど産めない」という現象について、考えてみたいと思います。
崩れつつある家族の基本形!増えている「子どもがいない夫婦」の割合
様々なCMに出てくる「家族」は「子どもは2人(しかも女の子ひとり+男の子ひとり)」がいまだに多いようです。確かに、「子どもが2人」と言う家庭は長らく日本のスタンダードな姿で、今でもその割合は最多ではあります。しかし、2010年調査によると「子ども3人以上の夫婦」が初めて2割を下回り、逆に「子ども2人未満(1人もしくは0人)」の夫婦は初めて2割を超えました。「子ども1人」の割合は2005年が11.7%に対して2010年が15.9%、「子ども0人」の割合も1992年の3.1%に対して2010年は6.4%と急増しています。
子どもができない、あるいは作らない家庭は確実に増えているのです。
◆次ページではニッポンの不妊の実態を考えます