[解説] なぜ、このような手順が必要なの?
なぜ、PHPの学習には専用のソフトウェアが必要なのでしょう。それを知るには、次のような実験をしてみると分かります。例えば、次のような内容のファイルを作成してみましょう。
test.html
<h1>head1</h1>実験のために、かなり省略したHTMLになっていますが、このファイルをWebブラウザに読み込ませると、図のように大きく太い文字になります。
HTMLを表示したところ
これは、WebブラウザがHTMLの内容を解釈して、ここで使った「h1」というタグが、見出しを表すタグである事を理解しているため。Webブラウザはさらにこれを、「大きな文字で表示しよう」と判断して表示します。
CSSも同様に、Webブラウザが解釈して表示の内容を変化させています。では次に、今のファイルに少し内容を書き加えてみましょう。
test.html
<h1>head1</h1> <p><?php echo 'This is PHP'; ?></p>2行目に、p要素を追加しましたが、その中に少し見慣れない文章が追加されています。これが、PHPのプログラムです。詳細は連載の中で紹介していきますが、画面に「This is PHP」と表示させるというプログラムを記述しました。
しかし、これをWebブラウザで表示しようとすると、今書いた部分はなにも表示されなくなってしまいました。
これは、WebブラウザがPHPのプログラムを解釈することができないため、何をして良いかが分からず、なにも表示されなくなってしまったのです。
誰に向けた指示なのかがポイント
私たちがHTMLやCSSを書くのは、Webブラウザに対して「ここは見出しにして欲しい」「ここは赤い文字にして欲しい」といった「指示」をWebブラウザに対して行うためです。では、「PHP」は誰に対して指示をするためのものなのでしょう? それは、「Webサーバー」というソフトウェアです。
Webページは、Webサーバーによって世界中に配信されます。この時、Webサーバーはさまざまな命令に従って動作することができます。PHPもその1つ。設定や追加モジュールによっては他にも「Ruby」や「Java」「CGI」といった命令にも対応することができます。
PHPは、Webブラウザにさまざまな命令をできることから、HTMLやJavaScriptだけでは実現できないような仕組みを作り上げることができるのです。
具体的にどんなことができるかについては、この連載で詳しくお伝えしていきましょう。
MAMPや XAMPPは、Webサーバーセットアップのお手伝い
では、先の手順でセットアップした「MAMP」や「XAMPP」というソフトは、何のためのソフトだったのでしょうか?ここでセットアップしたWebサーバーは「Apache(アパッチ)」という種類のソフトウェアです。Webサーバーの中でも最も人気のあるソフトウェアで、無償で誰でもセットアップすることができ、次のWebサイトで配布されています。
しかし、Apacheのセットアップには多くの専門的な知識が必要で、簡単にはいきません。さらに、ApacheだけをセットアップしてもPHPは動作せず、別途「PHPモジュール」を組み込まなければならないなど、手間がかかります。
そこで、これらのソフトウェアを自動的にセットアップしてくれるのが、先のMAMPやXAMPPといったソフトウェアなのです。これらのソフトウェアを利用すれば、手軽にPHPの動作環境を準備することができます。
PHPで作ったサイトを公開するには
XAMPPやMAMPでセットアップした環境は、そのままではインターネット上に公開することはできません。もし、作ったPHPを公開したい場合には、対応しているレンタルサーバーを利用する必要があります。
レンタルサーバーの「機能一覧」などのページを見ると、PHPに対応しているかどうかやバージョンはどんなものを利用しているかなどを確認することができます
レンタルサーバーのスペック表を見よう