ディーゼルらしさはあるが、ほぼ気にならない

2.0Lクリーンディーゼルエンジン

エンジンは2.0Lの直列4気筒DOHCターボ。コモンレール直噴システムを搭載し、DPFによる排ガス処理技術によりメンテナンスフリーを実現している


まず、ディーゼルで気になるのが音と振動だろう。BMWの広報車は静かな地下駐車場からピックアップするため、窓を開けるとアイドリング時にはカラカラとした乾いた音が響き渡る。窓を閉めても多少聞こえるが、外に出てしまうと他車の騒音などでかき消されてしまいほとんど気にならない。

振動もアイドリングもガソリンエンジンと比べてしまえば、荒削りではあるが購入をためらうレベルではなく、早朝の住宅街でも周囲を気にせず出発できる。しかもアイドリングストップが稼動すれば、停止時は外部の音が聞こえるばかりでほぼ静寂に包まれる。

街中で走り出すと、8速ATが素早く変速し、エンジンを回さなくても周囲の流れを容易にリードできる。

高速道路で上まで回してみると、ガソリンエンジンのような爽快感や回す楽しみは希薄だが、100km/h巡航時は1600rpmほどでこちらも静かだ。レッドゾーンは5350rpmあたりからだが、そこまで回すシーンは公道ではまずないはず。

また、ガソリンのX3と比べると、ノーズが重くフットワークはあまり軽快ではない。しかし、SUVとしてはライントレース性も優れるし、「ドライビングパフォーマンスコントロール」を使って「SPORT」にすれば操舵の切れが増す。さらに、DSCがカットされる「SPORT+」にすれば、路面からのダイレクト感がより伝わってくるし、パワステの手応えもずしりと増す。

なお、「ECO-PRO」でもストップ&ゴーの多い街中であれば、かったるさはあまり感じられないし、8速ATも高いギアへと瞬時に変速し、省エネ走行もお手のものだ。


19インチはハードな乗り味

インパネ

コクピット風のインパネはガソリン車と同等で、運転環境としては余計な装飾などが目に入りにくく、申し分ない。しかし、ボディの見切りはかなりしにくいので慎重になる


ハンドリングやパワートレーンのマナーよりも気になったのは乗り心地だ。試乗車が履いていたMスポーツパッケージのランフラットタイヤは、ピレリの「P-ZERO」で、サイズは前輪が245/45R19、後輪が265/40R19。舗装状態が良ければソフトな乗り味を示すが、いったん不整路に突入するとピッチングに襲われ、船のような揺れにさらされてしまう。

それでもかつてのサイドウォールの剛性ばかりが高く、突っ張ったような動きになるランフラットではないから、見た目と高速走行時のハイグリップがどうしても欲しいならNGとまでは言い切れない。それでも家族やゲストを思うなら標準の17インチかオプションの18インチにしておくのが無難だと思う。

今回は200km余りを走り、高速道路を約7割、一般道を3割走行して18.8km/Lだったが、高速道路が多かったため参考程度ではあるものの、エコランに徹したわけではないので、JC08モード燃費の18.6km/Lは期待を大きく裏切ることはないはずだ。

ガソリンとの価格差は2.0Lの「20i」よりも23万円高く、同じく2.0Lで245ps/350Nmの「28i」より34万円安くなる。走りの楽しさではガソリン車に一歩譲るのは確かだが、分厚いフラットトルクによるイージーな高速巡航はロングツーリングとウインタースポーツの足として最適な存在といえるだろう。
※記事内容は執筆時点のものです。最新の内容をご確認ください。