出願状況から見た今年度入試

大阪府下の私立高校は、2月9日に1次入試を実施しました。志願者数の状況は、昨年より905人減の7万4608人でした。(2月5日発表分)外部募集人数の2万2490人に対する競争倍率は、3.32倍(昨年対比0.18ポイント減)でした。また、専願者(合格したら、必ず入学することを前提に出願するもの)の割合、いわゆる、「専願率」<専願率=専願者数÷総志願者数>は、25.91%(昨年対比0.62ポイント減)でした。

競争率3.32倍といっても実際には、これは「見かけ倍率」であって、実際には、そんなに不合格者は出ないというのが現実です。私立高校では、「専願受験」と「併願受験」があります。専願者は、合格者がそのまま入学者になりますので、人数は、読みやすいのですが、併願合格者は、不確定要素が多いだけに、どれくらいの併願合格者を出せば、募集人員に近づけることができるか、大変むずかしい問題になっています。併願合格者のうち実際の入学者の割合を表す数値のことを「戻り率」と言いますが、これは第一志望の公立高校を不合格になり、先に合格した私立高校へ戻ってくることからこのように呼ばれています。各高校によってかなりバラツキがありますが、一般的に女子校が5%から10%、男子校と共学校が10%から15%ぐらいです。

また、専願者だけで外部募集人員を上回った学校は25校(昨年対比5校減)ありました。

男子校=興國
女子校=大阪成蹊女子、香ケ丘リベルテ、城星学園、宣真
共学校=藍野、上宮太子、追手門学院大手前、大阪学院大学、
              大阪商業大学、大阪商業大学堺、関西創価、関西大学高等部、
関西大学第一、関西大学北陽、関西福祉科学大学、
近畿大学附属、常翔学園、昇陽、清明学院、太成学院大学、
東海大学仰星、同志社香里、羽衣学園、東大谷


今年度入試の特徴

その高校の雰囲気を直接感じることはとても大切

その高校の雰囲気を直接感じることはとても大切

大阪府の私立高校授業料の無償化の施策がとられた2011年度入試では、専願率は、久しぶり回復して、27.02%になりました、昨年が26.53%で今年が25.91%ですから、微減が続いたことになります。私立高校授業料の無償化の制度がやっと認知されてきたことにも原因があります。初年度は、入学金等すべて無償だと思っていたご家庭や、授業料を始めに納めた後、11月以降で返金等の処理をする高校が多いことを知らなかったご家庭がありました。つまり、授業料無償化といっても入学前にはそれなりの費用が必要ということになり、やはり公立高校へ進学させたいというご家庭も出てきたわけです。また、元々、公立高校志望の強い大阪では、授業料無償化の恩恵にあずかれるのなら、少し背伸びをした公立高校に挑戦しようと併願受験するケースも増えました。結果として、公立高校不合格で私立高校へ入学という数は、増えています。人気の公立高校の併願先になっている私立高校は、併願の戻り率が高くなるということです。

今年の特徴としましては、ここ数年同様に、共学校人気が続いています。まず、共学ありきという状態になっています。自宅から通学の便利な自分の成績に合った共学校という志願のしかたが目立ちます。中学入試では、自宅から遠い男子校、女子校を志願することが多いのとは対照的です。今年から女子校から共学校になる東大谷高校、羽衣学園高校は、爆発的な人気を得ました。特に、移転して、共学化する東大谷は、募集人員の合計が320人に対して、専願の出願だけで610人ということで約2倍になっています。併願が914人いますので、戻り率を予想すると約700名以上の入学者が見込めます。羽衣学園も180名の外部募集人員に対して、235人の専願の出願を集め、併願の954人を合わせますと、約300名以上の入学者が予想されます。

また、ここ数年続いている特化した専門コース(幼児・保育関連、イラスト・デザイン関連、美容関連、看護関連など)を有する高校は、女子校、男子校問わず、人気を集めました。資格も取れて、卒業後の進路が明確なコースが支持されています。一方で関西大学、同志社大学、近畿大学等の大学附属系の高校も相変わらずの人気を誇ります。ただし、最近では、附属の大学への内部推薦基準を以前よりも少し高め(といってもいわゆる普通にしていれば大丈夫なのですが)に設定している高校もあります。大学側としても一般入試で入学してくる生徒との学力差がこれ以上できないようにしたいということでしょう。

留意点としましては、男子校、女子校、共学校ともに私立には明確な教育方針である建学の精神に基づく校風がありますので、入試説明会や学校見学会などに足を運んで、その高校の雰囲気を直接感じることはとても大切であり、必須事項でもあります。
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