小江戸の街に今なお時を告げる「時の鐘」
今から400年ほど前の寛永年間、川越藩の第2代藩主・酒井忠勝により創建された小江戸川越のシンボル、「時の鐘」。その名の通り、町じゅうに時間を知らせる時計の役割を果たしていました。歴史を感じさせる情緒あふれる立ち姿の「時の鐘」は、川越市指定文化財に指定されています。その当時、江戸ではすでに時の鐘が鳴らされていたようで、日本橋石町の時の鐘が最も古く、江戸城内での武士たちの規則正しい生活のために役立てられていたようです。また時の鐘は、時を知らせるだけではなく、火の見やぐらとしての役割も担っていました。人々の安全を静かに見守る時の鐘は、日常生活と密接に結びつき、親しまれてきました。
やがて桶大工の職人が多く住んでいた川越にも、半刻(1時間)ごとに鐘の音が鳴り響くようになりました。現在の「時の鐘」は4代目で、明治26年(1893年)の大火のあとに再建されたものです。木造のやぐら造りは3階建てで高さが約16メートル、鐘は電動式となりましたが、午前6時、正午、午後3時、午後6時、いまなお行く人に時を知らせてくれます。
■時の鐘
場所:埼玉県川越市幸町15-2
アクセス:西武鉄道新宿線「本川越」より徒歩15分
URL(社団法人小江戸川越観光協会):http://www.koedo.or.jp/
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