ランドローバー/ランドローバー

“金持ちケンカせず”余裕が魅力のレンジローバー(2ページ目)

4世代目に進化したプレミアムSUVの王様は、オールアルミモノコックボディにより大幅な軽量化を実現。その成果は動き始めてすぐに実感できます。

西川 淳

執筆者:西川 淳

車ガイド

“軽快”という単語を思い浮かべるほどのレスポンス

レンジローバー

5リッターV8エンジンは最高出力375ps/最大トルク510Nmを、5リッターV8スーパーチャージドは510ps/625Nmを発生。ZF製8速ATを組み合わせ、0-100km/h加速はNAが6.8秒、スーパーチャージドが5.4秒とされた

まずは、5リッターV8自然吸気エンジンを積む5.0V8ヴォーグから試してみた。トランスミッションはZF製8速ATだ。

ダイエットの効果を、動き始めてすぐに実感した。これまでのレンジローバーには、クロスカントリーモデルに独特の重さ感覚=大きなタイヤがじわっといやいや動き出すようなフィール、があって、走り出した瞬間からやたら“でかいクルマ”に乗っている気分になったもの。けれども新型は、思わず「うわっ」っと声を上げてしまったほどレスポンスよく走り出したものだから、これまでレンジローバーには無縁だったはずの“軽快”という単語さえ思い浮かべる始末である。

軽さは、そのまま走りの小気味よさに繋がるわけだが、もちろん8速化されたオートマチックの変速によるところも大きい。ポンポンポンとギアを上げてゆき、車速にのって行く様子もまた、これまでの自然吸気レンジローバーにはなかったものだ。

加えて、何と静かなことか! 街中から高速道路まで、シンと静まりかえっている。下手なプレミアムサルーンより静かだ。時速80km/hまでは乗り心地も極上で、尋常ならざる静けさと相まって、実にゆったりとした気分に浸れる。金持ちケンカせず、の乗り味をロールスロイスファントム級に実現した。

この余裕こそが、最新レンジローバーの魅力かも知れない。
レンジローバー

減衰力を最適化する連続可変ダンパーを採用。渡河水深限界は旧型より200mm高い900mmに

スーパーチャージドV8搭載グレードにも試乗してみたけれど、確かに速いし、その速さを一度体験してしまうと自然吸気の物足りなさも実感するが、逆にいうとそれだけのために最低でも+260万円必要なわけで、コストパフォーマンス的に考えれば、微妙である。自然吸気モデルをイチオシとしておく。

もっとも、この手のカテゴリーについて、コストパフォーマンスの話をもちだしても意味などないのかも知れないが。
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