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巨匠ライトの建築「自由学園明日館」

アメリカ建築家の巨匠、フランク・ロイド・ライトが設計した、重要文化財に指定されている自由学園明日館。「建物は使ってこそ維持保存ができる」という理念のもと、使いながら文化財を保存する「動態保存」のモデルとして運営されています。

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使いながら文化財を保存する「動態保存」のモデル「自由学園明日館」

 

 

 

 

 

 

重要文化財に指定されている自由学園明日館。アメリカ建築家の巨匠、フランク・ロイド・ライトの設計です。大正10年(1921年)、クリスチャンだった羽仁もと子と羽仁吉一夫婦により、キリスト教精神に基づいた理想教育を実践しようと、高等女学校として豊島区に設立されました。

自由学園設立の3年前には、築地明石町の外国人居留地から、同じくキリスト教精神に基づく立教学校が豊島区へすでに移転してきていたこともあり、現在の池袋西口、立教大学周辺は崇高な地域だったようです。当時、ライトは帝国ホテルの設計のために来日していました。

学生の多くが学園寮で生活し、校内の維持管理や給食調理も生徒自身が行うなど、自労自治の精神に基づいた自由学園の教育理念に深く共感したライトは、羽仁夫妻からの設計の依頼を快諾したと言われています。

大正10年(1921年)4月15日、第一回入学式に26人の女子が集まりました。設立当初から昭和9年(1934年)まで、教室には照明がなかったそうです。明日館では、当時の明るさを体験できるようにと、あえて照明はありません。イスとテーブルは当時の女学生サイズ。かなりコンパクトです。自由学園明日館は、「建物は使ってこそ維持保存ができる」という理念のもと、使いながら文化財を保存する「動態保存」のモデルとして運営されています。そのため、重要文化財に実際に触れ、建物の息遣いを身近に感じることができます。

かつて女学生たちが毎朝の礼拝をしていたというホールでは、彼女たちの背の低いイスに腰掛け、お茶をいただくことができます。建物の高さを抑え水平線を強調し、部屋同士を区切らずにひとつの空間として緩やかに繋ぐといった特徴のライトの意匠、プレイリースタイル(草原様式)が明日館に見られます。


自由学園明日館
住所:東京都豊島区西池袋2-31-3
TEL:03-3971-7535 
開館時間: 10:00~16:00(15:30までの入館)
※結婚式や行事等により見学できない場合もあります。
休館日:毎週月曜日(月曜日が祝日または振替休日の場合はその翌日)、年末年始
入館料:喫茶付見学600円、見学のみ400円
アクセス:JR「池袋」駅・メトロポリタン口より徒歩5分
備考:明日館事務室職員によるガイドツアー有り。
※記事内容は執筆時点のものです。最新の内容をご確認ください。

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