毎月一定額で買い続けることが最大のメリット
純金積立で一定額を積み立てる
純金積立とは毎月一定額を積み立て、金を購入していく方法です。鉱山会社専門商社、また一部の銀行、証券会社などで扱っています。そのメリットですが、ひとつは少額で無理なく始められるという点。1000円から始められる商品もあります。また、購入時期が分散されるため、購入単価が平均化され、価格変動のリスクが抑えられるという利点もあります。
また、純金積立は現金に換えることはもちろん、取扱会社によっては、ジュエリーやコイン、インゴットなどと等価交換することも可能。こういった楽しみも純金積立の特徴のひとつです。
純金積立に発生するコストを把握しよう
純金積立はいい面ばかりというわけではありません。始める前にいくつか注意すべき点があります。まず、先に触れたように元本保証ではありません。短期的には価格が上下していますし、長期的に見ても2000年以来、右肩上がりの状況が続いていますが、それが必ず今後も続くとは限りません。また、純金積立には株式のような配当も、預貯金のような利息もないのです。
もうひとつ認識しておくべきことは、純金積立には購入手数料、年会費といったコストが発生するという点です。取り扱う会社によってコスト額は異なりますので(表参照)、事前のチェックが必要です。
加えて、純金積立にはスプレッドがあります。スプレッドとは小売価格と買取価格にあらかじめ設定されている価格差のこと。たとえば「小売価格4800円、買取価格4730円」といったように、必ず小売価格が高く設定され、もし買いと売りを同時に行うと損をします。スプレッドは金1グラムに対して50~80円程度というのが一般です。
次ページでは単なる積立商品ではない、純金積立の奥深さに触れます
監修/野尻美江子(ファイナンシャル・プランナー) 取材・文/清水京武