金は3つの価値を持つ特異な存在

純金にはどんな価値があるのか?

純金にはどんな価値があるのか?

金の価値とは何でしょうか。ひとつは商品としての価値です。宝飾品、工芸品はもとより、電気機器や医療機器の部品としても欠かせない、貴重な鉱物資源なのです。これまでに産出された金はおよそ15万トン。50メートルプールにして3個分ほどの量です。しかも、推定埋蔵量はわずか5万~6万トンと言われていますから、その希少性がわかります。

もうひとつが資産、あるいはマネー的な価値と言ってもいいでしょう。紙幣にしろ、株式にしろ、その価値は信用の上に成り立っています。それがなければただの紙切れに過ぎません。金は、そのものが貨幣として使われた歴史的背景もあり、金自体に信用リスクはありません。金は商品(資源)とマネーの二面性をもつ点で、とても特異な存在です。

さらに金は心理的な価値も兼ね備えています。見た目の美しさや富の象徴として、ずっと人類に魅了してきました。また、ご利益や厄払いの力を持つという文化的、宗教的な側面もあるのです。


金価格は世界の動きで絶えず変動する

金は24時間、世界中で売買され、価格は絶えず変動しています。では、その変動はどのような要因によるものなのでしょうか。

まず、日本の金価格には為替要因があります。金は世界中で取引されていますが、その価格の指標となるのがロンドン市場。ここでの取引はドル建てのため、為替相場の変動は直接、日本国内の金価格に影響するわけです。
金価格の変動要因はさまざま

金価格の変動要因はさまざま



ドル建ての金価格自体も、経済や世界情勢が複雑に絡んできます(図参照)。たとえば、不景気や株価の暴落、金融不安が起これば、資金は破綻リスクのない金に流れ、結果、金価格は上昇傾向となります。逆に好景気となり、金利上昇や株高が続けば、利子を生まない金を保有しているよりもトクと考えられ、金需要は減り、金価格は下落傾向となります。金価格は需給や地政学的リスクを含む世界の動きと為替、これらによって変動する商品なのです。

1973年に現状の取引が始まって以来、金価格は大きく揺れ動いてきました。高値のピークは1980年。第2次オイルショックの最中に金価格は「1グラム=6495円」という瞬間最高値を記録しています。しかしそれ以後、下落の一途をたどり、2000年には年間平均価格が1014円にまで落ち込みました。しかしそこから一転、上昇トレンドとなり、現在は4000円台後半で推移しています。

次ページでは、代表的な金投資である純金積立の中身を解説します


監修/野尻美江子(ファイナンシャル・プランナー) 取材・文/清水京武

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