純金特集/月3000円からの純金積立の始め方

実はとっても奥が深い純金積立/基礎編2

純金積立は毎月一定額の金を買っていくというもの。しかし、同じ積み立てでも積立定期預金とはその内容が大きく変わります。そこで、純金積立を理解する上でとっても重要な国際価格と為替の関係、そして今後の価格動向を考えてみます。

あるじゃん 編集部

執筆者:あるじゃん 編集部

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国際価格と為替で複雑な世界……!?

世界経済の動向に左右される金価格

世界経済の動向に左右される金価格

純金積立は金を手軽に購入するには適した商品です。しかし、元本保証のない投資商品であることには変わりありません。そこで、実際に純金積立を始めるにあたってのポイントをファイナンシャル・プランナーの野尻美江子さんに伺いました。

「投資としての金は、なじみやすいイメージとは裏腹にさまざまな動向に注意を払う必要があり、ハードルが高い商品と考えた方がいいでしょう。国際価格の動きが読みにくいのと同時に、日本では為替の影響もダイレクトに受けるということ。つまり、国内では国際価格を反映した素直な金価格には良くも悪くもならないということです」

金はドル建てで国際取引されていますから、円高になればなるほど、安く買えることになります。しかし、金価格はドル安によって上昇する傾向があります。円高=ドル安ですから、円高の恩恵が相殺されてしまうこともあるわけです。

また、円高の時期に購入した金の価格がその後上がり、さらに円安に転じれば、金の値上がり益と為替差益のダブルで利益を得ることになります。しかし、その逆も可能性としてはあります(図参照)。

損益はコロコロ変化する

損益はコロコロ変化する



「積立で買うことでそういったリスクを軽減させる効果がありますが、金そのものには、複雑で奥の深い投資の世界があるということを認識しておくことが大切です」

新興国の金需要が価格変動のカギ

投資に興味のある人が気になるのは、今後もこの金価格の高値が続くかということ。それを予測するのは難しいと前置きした上で、野尻さんはこう説明します。

「金価格の変動にはいろんな要因がありますが、今の金価格を下支えしているのは新興国を中心とした中央銀行による購入です。中国、インドはもとより、ブラジルやトルコもここ数年、積極的に買っています。金価格が下がれば、ドンと大口で買いを入れますから、その時点で上げに転じるという展開が見られます」

新興国の金需要が高いうちは、ひとまず心配はないとのこと。また、ユーロ圏の再生にはまだ時間がかかるというのが、一般的な見方。これも、金価格の下支えになっています。

「しかし、今後何年も高値が続くかというのは別の問題です。欧米の経済はもちろんですが、とくに注視したいのは新興国の動きです。買い出動をやめたり、一転して、金を売却すれば、一気に価格は下落する可能性があります。経済ニュースを絶えずウォッチしておくべきでしょう」

次ページでは、実践編として実際に家計に取り組むポイントをアドバイスします


監修/野尻美江子(ファイナンシャル・プランナー) 取材・文/清水京武



※記事内容は執筆時点のものです。最新の内容をご確認ください。

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