プードルのメル(女の子、4歳)と暮らすAさんは家族で海外旅行に行くことになり、メルをどこかに預けなければならなくなりました。何から準備を始めたらいいのでしょうか?

愛犬の体調チェック

ベンチでリラックス

犬たちもほんとうはこんなリッチな環境のホテルに泊まりたいと思っていたりして? 

メルはちょっと胃腸の弱いタイプ。食事内容が少し変わったくらいでお腹をこわすことがあるので、Aさんは毎日ほぼ一定の内容の食事を与え、お腹の調子を整えるようにしました。

犬は思った以上にデリケートな動物。食事内容や環境が変わったり、何らかのストレスがあったりするだけでお腹をこわすことがあります。特に幼犬やシニア犬ではそれがきっかけとなって体調を崩すこともありますので注意を。また、万一下痢をしたとして、預けた先の世話を担当する人にとっても余計な心配や手間がかかることとなってしまいます。コロコロウンチが出るように、お腹の調子は整えておきたいものですね。

その他、どこか異常はないか、目や耳、皮膚、被毛、足腰など体全体の健康チェックをしておきましょう。ノミやダニ、感染性の皮膚病などがあった場合には、他の宿泊犬にうつる可能性があり、迷惑なことになってしまいます。予防できるものは予防を。

各種予防接種したことを証明できるものを準備

Aさんは普段メルに鑑札は付けていなかったので、首輪にあらたに鑑札を付けました。最近ではちょっとお洒落な鑑札ホルダーなんていうものもあります。それから、混合ワクチンの接種証明書をコピーして、メル専用の手帳にしまいました。

多くのペットホテルが狂犬病予防注射や混合ワクチンの接種が証明できるものを持参することを要求しています。いろいろな犬が出入りする場所であることから犬同士の病気感染を予防することはもちろん、ショップという立場からも予防が必要となります。昨今では、ワクチンに関して1年に1度接種という考え方と、2~3年に1度という考え方とが混在している現状ですので、場合によっては抗体価検査の証明書が必要になることもあるかもしれません。

こうした証明書をきちんと保管しているオーナーさんも多いでしょうが、実際のところは証明書を失くしてしまったり、無頓着な人も結構多いようです。預けに行く当日に「持っていません」では通用しません。動物病院で再度証明書を発行してもらうのも手間となります。普段からこうした愛犬の大切なものは愛犬用のファイルや手帳を作るなどして大切に保管・管理しておきましょう。

中には、愛犬を預ける際に「証明書が必要だなんて聞いていなかった」とクレームをつけるようなケースもあるようですが、そもそもオーナーとしては当たり前のことだという自覚を持って頂きたいものです。

納得のできるペットホテルを探す

Aさんはインターネットや犬友達からの情報を得て、ペットホテル探しをし、何軒かをピックアップして電話で問い合わせをした後、実際に足を運んでペットホテルの内容を確認しました。

一口にペットホテルと言っても専門のところ、ペットショップ内にあるもの、ドッグサロンや動物病院に併設されているものなどいろいろです。多くの場合、宿泊はケージや犬舎ということになりますが、中にはフリースペースに宿泊できるホテルもあります。世話をしてくれるスタッフにしても24時間常駐のホテルもあれば、夜間はスタッフがいないというところもあり、その場合は夜間に万が一異常が起こったとしても対応が期待できないということになります。また、オーナーとしては預けた間、愛犬がどんなふうに過ごしているか気になるものですが、その様子をWebカメラを通して見ることができるサービスを行っているホテルもあります。

宿泊スタイルも気になりますが、実際に愛犬が過ごす場所がどうなっているのか、その衛生管理なども気になるところでしょう。宿泊場所を見学させてくれるようなホテルであったら、より安心できるでしょうね。

スタッフの対応や人柄、付随するサービス(散歩代行やグルーミングなど)があるかどうか、宿泊に必要なもの、料金についてなど、気になることは納得のいくまで聞いてみましょう。

早めに予約を入れる

Aさんは気に入ったペットホテルが見つかったので、余裕をもって早めに予約の電話を入れました。

年始年末やゴールデンウィークなど大型連休の時期にはペットホテルも混雑します。間近になって電話をしたらすでに予約でいっぱい、慌てて他のホテルを探す羽目になったなんていうことのないように、預けることが決まったなら、なるべく早めに予約の電話をしておくのが一番。その際、万一キャンセルが必要になった場合も想定して、キャンセルについても確認しておくといいでしょう。

食べ慣れた食事を持参、愛犬についても説明を

当日、Aさんはメルがいつも食べているフードを一食分ずつ袋に入れ、その他、愛用のオモチャや敷物と一緒に持参しました。そして、担当のスタッフにメルの性格や癖、体調などについて説明しました。

同居犬が一緒の場合は除き、ただでさえ一人ぼっちで環境が変わるのですから、そのストレスから食事を口にしなくなるコもいます。食事は普段食べ慣れているものを、スタッフにわかりやすいように一食分ずつパックして渡しておきましょう。その際、「1日食事は2回、1食につきドライフードを1袋+トッピングをひとふり」などわかりやすいようにメモ書きを付けておくといいと思います。宿泊分の食事をひとまとめに渡してしまうと、スタッフにはそのコが普段どれだけの量を食べているのか把握できていませんから余計に食べ過ぎてお腹をこわすなんてこともあり得ますので、1食分ずつ小分けにして持参することをお勧めします。

愛犬の性格や癖などについても説明をしておきましょう。預けられたのはいいものの、他の宿泊犬の吠え声に驚いてぶるぶる震え出すようなコもいれば、「こんな狭いところイヤだ、おうちに帰りたい」とばかりに脱出を図り、オーナーさんが迎えに来た時には鼻の頭がすりむけてまっかっかなんていうコもいます。他の犬が苦手なコであれば、他の犬とはなるべく離すように対処してくれるでしょうし、脱出癖があるコであればより注意を払ってくれるはずですから。

何よりしつけと社会化は大事!

Aさんは家族と旅行を存分に楽しみ、さっそくにメルを迎えに行きました。メルは結構おとなしく過ごしていたようで、日頃からクレートトレーニングをしておいてよかったなとAさんは思ったのでした。

ホテルに預けられたコの中には、時々困ったちゃんもいます。常時ワンワンと吠えどおしだったり、スタッフに咬みつこうとしたり、などなど。咬み癖があるなどもってのほかです。最低限必要と思われるしつけは入れておきましょう。あまりにひどい場合には、宿泊を断られることもあります。

しつけとは、人間社会の中で共存してもらうにあたって、お互いに困らない程度のルールを身につけてもらうという意味もありますが、ある部分、その犬自身を守るためのものとガイドは考えています。リードをぐいぐい引っ張って自分の行きたい方にだけ行く、離れたら呼んでも戻ってこずに勝手し放題だとしたら、いつか事故に遭うかもしれません。制止もきかずワンワン吠えどおしであれば、いつか近所の嫌われ者になり、クレームの嵐に見舞われるかもしれません。可愛い愛犬を事故には遭わせたくないはず、嫌われ者にはしたくないはず。しつけることに努力を惜しまない、これは犬を愛する者としての務めではないでしょうか。

話をペットホテルに戻して。その他、多くがケージや犬舎泊となることから、普段からクレートトレーニングをしておくといいと思います。そうしたものに慣れていないことから吠えが出たり、脱走しようとしたり、ストレスになることがありますので、ケージやクレートのようなものの中で落ち着いて過ごすことができるように慣らしておくこともペットホテルに宿泊する場合は大切となるポイントでしょう。

最後に、多少のストレスに対して閾値を高くしてくれるのが社会化。子犬の頃からいろいろな“いい体験”を多く積んだコは性格的にも穏やかで、落ち着いた犬になる傾向があると考えられています。ペットホテルに限らず、いい体験を数多くさせてあげることは、きっといろいろなシーンで役に立つことでしょう。



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※ペットは、種類や体格(体重、サイズ、成長)などにより個体差があります。記事内容は全ての個体へ一様に当てはまるわけではありません。