腰痛、ストレス、腰が痛い、治療方法

仕事のストレスが腰痛をおこすことは、医学研究でも報告されています

痛みを長く我慢していると、気分が落ち込んで気持ちが晴れません。やがて、不安が強くなり、不眠や抑うつ気分に襲われることもあります。欧米の研究(参考文献:1)2))ですが、6か月以上続く痛みを我慢すると、35~50%の人がうつ病にかかっている、という報告もあります。

痛みを抱えてうつ病などの精神疾患を発症すると、もともとの痛み症状は長引き、重症化する傾向があります。今回は、痛みに隠れたうつ病などの心の問題を検出する評価方法をご紹介します。

夫の実家に帰ると、調子が悪い

  「夫の実家に帰る」これは、家庭を持っている女性にとって、頭痛や腰痛を引きおこすキーワードのひとつ。また、職場の人間関係のストレスやパワハラ、仕事の評価への不満が慢性腰痛症を引きおこすことは、医学的にも報告(参考文献:3)4))されています。ですから、慢性の痛みを治療する場合、痛みの原因となる病気を診断するだけではなく、痛みを悪化させる社会的要因や心理的問題を評価することも大切なのです。

痛みで抑うつになっているか確かめてみましょう

  ペインクリニックや整形外科で、腰痛症などの慢性痛治療を行う際に、患者さんの社会的要因や心の問題を評価する質問票があります。「整形外科患者に対する精神医学的問題評価のための簡易質問票」(参考文献:5)6))です。これには、医師が患者さんに質問する形式と、患者さん自身が答える形式の、2種類の質問票があります。今回は、患者さん自身で心の問題の評価ができるよう、後者の質問票をご紹介しています。

質問項目と回答点数

  痛みで、落ち込み気味のあなた。「家族や周囲に心配かけていないか不安」「今の自分の心の状態を客観的に知りたい」「いつもの自分じゃない気がする」と思ったら。次の簡単な10個の質問に答えて、合計点を求めてみましょう。きっと、心のお悩みの医学的指標が得られるはずです。

1. 泣きたくなったり、泣いたりすることがありますか
  1 いいえ  2 ときどき  3 ほとんどいつも

2.いつもみじめで気持ちが浮かないですか
  1 いいえ  2 ときどき  3 ほとんどいつも

3.いつも緊張していて、イライラしていますか

  1 いいえ  2 ときどき  3 ほとんどいつも

4.ちょっとした事がしゃくに触って、腹が立ちますか

  1 いいえ  2 ときどき  3 ほとんどいつも

5.食欲は普通ですか

3 いいえ  2 ときどきなくなる  1 ふつう

6.一日の中では、朝方が一番気分が良いですか
3 いいえ  2 ときどき  1 ほとんどいつも

7、何となく疲れますか
1 いいえ  2 ときどき  3 ほとんどいつも

8.いつもと変わりなく仕事ができますか
3 いいえ  2 ときどきやれなくなる  1 やれる

9.睡眠に満足できますか

3 いいえ  2 ときどき満足できない  1 満足できる

10.痛み以外の理由で寝つきが悪いですか

1 いいえ  2 ときどき寝つきが悪い  3ほとんどいつも

  いかがでしたか?合計点が15点以上なら、痛みだけではなく、ヒステリー、不安、抑うつなど、心の問題を抱えている可能性があります。

この質問票の合計点が15点以上の場合、実際に心理的問題を抱えている人が検出される確率は、90.3%。病気にかかっていない人が15点以下である確率は、40.0%です。

  長期間続く辛い痛みは、気付かないうちに、あなたを窮地に追い込んでいる場合があります。もし今回、高得点だった場合には、痛み以外の心の問題を考える一つのきっかけになるかもしれません。痛みだけに囚われるのではなく、ご自分の心理状況を冷静に見つめる評価も必要でしょう。

痛み治療の包括的アプローチ

  痛みは、痛み止めだけを漫然と飲み続けても改善しません。痛みの原因や状態に合わせた、包括的な治療が求められます。例えば、慢性腰痛で原因が腰椎椎間板ヘルニアなら、手術によって改善の可能性が強い場合は、整形外科的治療が優先されるでしょう。しかし、痛みだけではなく、仕事や日常生活への障害、不眠や不安、自律神経症状などが全面に現れている場合には、精神科医や心療内科医の治療が優先されることもあります。ペインクリニック科では、痛みの原因となる病気の治療と同時に、心理的治療からも痛みを治す取り組みが行われます。

参考文献
1) Lepine JP, Briley M.Hum Psychopharmacol Clin Exp. 2004, 19:S3-S7.
2) Ohayon MM, Schatzberg AF. Arch Gen Psychiatry. 2003, 60:39-47.
3) Bigos SJ, Battie MC, Spengler DM, et al. Spine 1991;16:1-6.
4) Williams RA, Pruitt SD, Doctor JN, et al. Arch Phys Med Rehabil 1998;79:366-73.
5) 紺野慎一、日本腰痛会誌、2004;10(1):19-22
6) 佐藤勝彦、菊池臣一ほか、臨床整形外科、2000;35:843-852.

※記事内容は執筆時点のものです。最新の内容をご確認ください。
※当サイトにおける医師・医療従事者等による情報の提供は、診断・治療行為ではありません。診断・治療を必要とする方は、適切な医療機関での受診をおすすめいたします。記事内容は執筆者個人の見解によるものであり、全ての方への有効性を保証するものではありません。当サイトで提供する情報に基づいて被ったいかなる損害についても、当社、各ガイド、その他当社と契約した情報提供者は一切の責任を負いかねます。
免責事項