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新型クラウンはハイブリッドの燃費性能に注目!

フロントグリルの特異なデザインに賛否両論出ている新型クラウン。ハード的には相当の意欲作だと思う。なかでも凄いのがハイブリッドだ。最も燃費の良いディーゼルと勝るとも劣らない燃費性能に注目してみたい。

国沢 光宏

執筆者:国沢 光宏

車ガイド

ディーゼルと勝るとも劣らない燃費性能

Hybrid ロイヤルサルーンG (シルバーメタリック)

Hybrid ロイヤルサルーンG (シルバーメタリック)

特異なデザインのフロントグリルに賛否両論出ている(現時点では圧倒的に批判が多い)新型クラウンながら、ハード的には相当の意欲作だと思う。なかでも「凄いですね!」なのがハイブリッドだ。従来型で「燃費より動力性能」を追求したもののユーザーから支持されず、売れ行きが伸び悩む。

そらそうだ。環境に配慮する人がハイブリッドを選ぶのであり、速さ重視であれば最初から軽快&パワフル3.5リッターにする。聞けば先代クラウンHVの開発チームも、燃費追求のハイブリッドを作りたかったらしい。けれど当時の経営陣から「速いハイブリッドを作れ!」と指示されたそうな。

経営陣も代わり、やっとハイブリッド本来の持ち味を活かせるようになった次第。いわゆる「我慢してきた逆バネ」なのか、相当頑張ったようだ。そもそもエンジンからして画期的だ。パワーユニットの効率を示す『熱効率』は38.5%! 最も燃費の良いディーゼルと勝るとも劣らない。

プリウスのエンジンも38%前後ながら、排気量1リッターあたり55馬力という極端に馬力を抑えることにより何とか実現した数字。クラウンHVの2.5リッターは同71馬力出ている。これまたディーゼルエンジンに匹敵する性能。いろんな意味でガソリンエンジンの革命と言ってよかろう。

また、従来型と比べボディやエンジンを軽量化し、200kg軽くなった。これも相当の努力が必要だったと思う。結果、ハイブリッドのJC08燃費は、車重で約100kg軽いカムリHVと同等の23.2km/Lという望外の数字になっている。実用燃費を7掛けとすれば16km/Lだから文句無し。

Hybrid ロイヤルサルーンG (プレシャスシルバー) 〈オプション装着車〉

Hybrid ロイヤルサルーンG (プレシャスシルバー) 〈オプション装着車〉

文頭に書いたデザインやいかに? 第一印象で評価すれば「厳しい!」となるけれど、クルマのデザインって時間で評価は変わってくる。同じような個性的なフロントデザインを持つアウディも、時間の経過と共に受け入れられてきた。デザインの評価はもう少し時間が必要か?

期待ハズレだったのが安全装備。今やアイサイトに代表される「事故を未然に防ぐデバイス」は大きな商品力になる。フォルクスワーゲン・アップのように149万円のクルマでも緊急停止ブレーキを付けてきたほど。何のかんの言ってもトヨタのフラッグシップカーであるクラウンに新兵器を装備するかと思いきや、無し。

機能的にはフォルクスワーゲン・アップだと標準装備。軽自動車のダイハツ・ムーヴで5万円のオプションと同等の性能の緊急停止ブレーキしか選べない。しかも標準装備じゃなく10万5000円のオプションだ。お金を取るならアイサイトくらいの機能が欲しかった。デザインは攻めたけど、安全面で超保守です。
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