ディーゼルと勝るとも劣らない燃費性能
Hybrid ロイヤルサルーンG (シルバーメタリック)
そらそうだ。環境に配慮する人がハイブリッドを選ぶのであり、速さ重視であれば最初から軽快&パワフル3.5リッターにする。聞けば先代クラウンHVの開発チームも、燃費追求のハイブリッドを作りたかったらしい。けれど当時の経営陣から「速いハイブリッドを作れ!」と指示されたそうな。
経営陣も代わり、やっとハイブリッド本来の持ち味を活かせるようになった次第。いわゆる「我慢してきた逆バネ」なのか、相当頑張ったようだ。そもそもエンジンからして画期的だ。パワーユニットの効率を示す『熱効率』は38.5%! 最も燃費の良いディーゼルと勝るとも劣らない。
プリウスのエンジンも38%前後ながら、排気量1リッターあたり55馬力という極端に馬力を抑えることにより何とか実現した数字。クラウンHVの2.5リッターは同71馬力出ている。これまたディーゼルエンジンに匹敵する性能。いろんな意味でガソリンエンジンの革命と言ってよかろう。
また、従来型と比べボディやエンジンを軽量化し、200kg軽くなった。これも相当の努力が必要だったと思う。結果、ハイブリッドのJC08燃費は、車重で約100kg軽いカムリHVと同等の23.2km/Lという望外の数字になっている。実用燃費を7掛けとすれば16km/Lだから文句無し。
Hybrid ロイヤルサルーンG (プレシャスシルバー) 〈オプション装着車〉
期待ハズレだったのが安全装備。今やアイサイトに代表される「事故を未然に防ぐデバイス」は大きな商品力になる。フォルクスワーゲン・アップのように149万円のクルマでも緊急停止ブレーキを付けてきたほど。何のかんの言ってもトヨタのフラッグシップカーであるクラウンに新兵器を装備するかと思いきや、無し。
機能的にはフォルクスワーゲン・アップだと標準装備。軽自動車のダイハツ・ムーヴで5万円のオプションと同等の性能の緊急停止ブレーキしか選べない。しかも標準装備じゃなく10万5000円のオプションだ。お金を取るならアイサイトくらいの機能が欲しかった。デザインは攻めたけど、安全面で超保守です。