子供の病気

肝芽腫の症状・原因・検査・治療

肝芽腫は、神経芽腫、ウイルムス腫瘍(腎芽腫)の次に多い、子どもの三大腫瘍の1つです。肝芽腫は肝臓に発生するガンで、大人よりも子どもに多く発生します。今回は、肝芽腫の症状、検査、治療について説明します。

清益 功浩

執筆者:清益 功浩

医師 / 家庭の医学ガイド

肝芽腫

肝臓

肝臓ですが体の右側にある組織です

肝臓に発生する悪性腫瘍、ガンです。大人より子どもに多く、神経芽腫、ウイルムス腫瘍(腎芽腫)の次に多く、子どもの三大腫瘍と考えられています。大人で多いのは、肝細胞がんと子どもとは異なります。大人で多い肝細胞がんはB型慢性肝炎、C型慢性肝炎、肝硬変から発生すると言われています。

3歳までに発症することが多く、4歳未満で発生する肝臓のがんの約90%がこの肝芽腫です。

出生体重1500g以下の極低出生体重児に発生しやすいです。また、進行が早く、特に、1000g未満の超低出生体重児に発生しやすいと報告されています。

年間発生数は約30~40人ぐらいと言われています。実際に私も1例経験しており、お腹が大きいということで受診され、腹部超音波検査と血液検査で診断して、小児外科のある大学病院に搬送しました。

肝芽腫の進行状況を把握するために、治療前の進展度による病期分類があります。 PRETEXT(Pretreatment Extent of Disease System)分類と呼びます。肝臓には8つの区域に分けられ、肝区域と言います。腫瘍がその区域にあるかによって進展度が分類されます。
  • 病期1:腫瘍は 1 つの肝区域のみに存在する状態
  • 病期2:腫瘍は 2 つの肝区域に存在する状態
  • 病期3:腫瘍は 2 つ以上の隣接しない肝区域または 3 つの隣接する肝区域に存在する状態
  • 病期4:腫瘍は 4 つの区域に存在する状態
です。

肝芽腫の症状

ほとんどは無症状で、多くはお腹のしこりで発見されます。お腹が大きいということで気づかれることがあり、また、検診で発見されることもあります。お腹が張ったり、腹痛、発熱、食欲不振、体重減少等の症状が見られることがあります。特に、腫瘍が破裂して、出血すると危険です。

次のページで、肝芽腫の検査と治療について説明します。
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