介護、相続……帰省時に親とお金の話をしておきたい
特に団塊ジュニア世代の方はこの年末の帰省時に、親と少しお金の話をしてほしいと思います。親の多くは今まさに定年退職年齢に入りつつありことでしょう。60歳で仕事を辞めて年金生活に入った親もあれば、65歳まで働いた親もあるでしょう。あるいは親はまだ現役という人もいるかもしれません。いずれにせよリタイア年齢はやってきます。年金生活に入った親については、いつかは扶養の問題が生じます。今まで育ててくれた親を、子が面倒を見る必要のある時期が近づいているのです。
近年では公的年金制度の充実により仕送りの負担が下がっているものの、介護の負担(身体的な負担も含めて)や相続の心配など、親とのお金の心配ごとがたくさんあり、いつかはすっきりさせる必要があります。
しかし、親とお金の話をするのはなかなか大変です。学生時代や20代の頃に親にちょっと借金をするくらいでしたら切り出せても、親の財産状況を聞き出すというのはなかなか聞きにくいことだからです。でも、親も本当は聞いてほしいと思っているかもしれません。
最近、団塊世代やそれより上の世代に流行っているものに「エンディング・ノート」があります。これはお葬式のやり方からはじまって、自分が死んだ後に残された遺族へメッセージを送るものです。公的な効力を持つ遺言でなくても、子に伝えたいことを整理することができ、人気を博しています。雑誌の相続特集は完売になることもある人気テーマだそうです。多分、親も子に言いたいことがたくさんあるはずなのです。
話し合うのを先送りにして、「いつまでも元気だから」と思っていると、親が急に入院したり、認知症の状態になったりして、「お金のことを含めて、話し合っておけば良かった」と後悔してしまうかもしれません。
ですので、今回の帰省時に、ちょっと親とお金の話をしてみてはどうでしょうか。
親に「親のお金の話」を切り出す時期
いきなり親にお金の話をするのはなかなか難しいところです。そこで考えてみたいのは以下のような戦略です。●話す時期はどのあたりか
・帰省すぐは避ける(緊急の話題と思われ警戒される)
・元旦は避ける(はれやかな時間は避ける)
・帰宅直前はバタバタしていて会話しにくい
つまり、チャンスは「1月2日あたり」ということです。ちょっとのんびりしていて、できれば子どもが席を外しているようなタイミングを見計らって、話をしてみてはどうでしょうか。(帰省がもし長いようなら、今年は候補日がたくさんあってチャンスです!)
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