速読/速読とは

速読のメリットとデメリットとは?知るべき7つのこと

速読にはメリットもデメリットもあります。「早く楽に本を読むことができたら……」と考えている人は多いでしょうが、その一方で「速く読むと理解力が落ちるのでは? 」といった不安もあると思います。速読のメリットとデメリットについてご紹介します。

藤田 尚弓

執筆者:藤田 尚弓

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速読のメリット・デメリットを紹介

速読のメリット・デメリットを紹介


「速読って、本当に役に立つの?」
「そもそも、本は速く読むよりも味わったほうがいいのでは?」

速読に興味はあっても、具体的なメリットやデメリットがわからずに習得を迷われている方も多いと思います。長年速読に親しみ、速読を教えていたこともある筆者が、メリットとデメリットをご紹介します。
 
<目次>
  

速読のメリット1:短時間で読めるから「読書で挫折しない」

速読のメリットを紹介

短時間で読めれば読書は辛くない


読書が仕事や人生に与えてくれる影響については、皆さん肌で感じていることだと思います。「たくさん本を読む」ことを目標にしている人も多いのではないでしょうか。しかし、そうわかってもいても、読書を習慣にすることはなかなか難しいようです。皆さんは、200ページ程度の一般的なビジネス書を読むのに、どれくらいの時間が必要でしょうか?
筆者が速読を教えていたときの調査で最も多かったのは、「1冊あたり5時間前後」という回答です。これだけの時間がかかるとなると、読書から遠ざかってしまうのも必至でしょう。

しかし、これが「1冊1時間」、あるいは「30分」で読めるとなると事情は変わってきます。気軽に読書に取り組め、情報に触れる機会(本を読む機会)も増えるでしょう。

ちなみに、筆者が初めて速読を体験したのは留学中の語学学校でのこと。大学進学の際に英語力が足りない学生、大学院進学で大量の文献を読みこなす必要がある留学生などが授業の一環として速読を学ぶ環境でした。

その後、日本でほかの速読法にもチャレンジし、更に読書スピードがあがってからは読書で挫折することがなくなりました。人は大変なことは続けられません。短時間でラクに読むことができれば、「読もうと思った本が読めない……」という悩みから遠ざかるでしょう。
 

速読のメリット2:読書からの学びを実践する時間ができる

速読を習得すると余った時間を他のことに使える

速読を習得すると余った時間を他のことに使える


本を読むスピードが2倍になるということは、「これまでの半分の時間で同じ情報量を得られる」ということです。

「本から学んだけれど、それを実際に活かす時間を作れない。そのうちに学んだことを忘れてしまう……」。そんな人にとって速読は大きなメリットです。今まで読書にかけていた時間を、はじめの一歩を踏み出す時間に充てられるのです。

「本から学ぶだけでなく、学んだことを実践する時間ができた」というのは、速読習得者からよく聞く感想です。「仕事が早く終わるようになった」「家族との時間が増えた」「趣味に使う時間ができた」という人もいます。

速読をすることで時間の感覚がシビアになると、学んだことを実践する時間ができるだけでなく、他の時間も有効活用したくなる、という嬉しい副次効果があるようです。
 

速読のメリット3:問題解決の選択肢が増える

「会社のプロジェクトがうまくいかない。プロジェクトマネジメントのコツは?」「最近、太り気味。なにかいいダイエット法はない?」……。

日常のあらゆるシーンで私たちは解決したい問題にぶつかります。

こんな時、速読ができる人たちは書店にでかけ、本の中から問題解決のヒントを探します。時間をかけずに、多くの書籍(多くの視点)から参考となる情報を収集できるようになると、問題解決のためにとるべき行動の選択肢が増えます。

例)怒りっぽい上司に悩んでいる場合

■解決例が少ししか思いつかないケース
・我慢する
・会社を辞める
・職場の人に相談

■情報収集で解決例が増えたケース
・我慢する
・会社を辞める
・職場の人に相談
・コミュニケーションテクニックを使って、上司の態度を変える
・ストレスマネジメントの手法で怒りっぽい上司にもうまく適応する


「情報はインターネットで得る」という人も多いですが、ネットの情報はまだまだ玉石混合。本は事前に出版社のフィルターがかかっているぶん、ネットの情報より信用度が高い傾向があります。さらに、断片的ではなく、まとまった量の情報が体系的にまとめられていることも見逃せないメリットです。

これまでネット派だった人も、速読で気楽に短時間に情報がとれるようになると書籍の魅力に気づくのではないでしょうか。その頃には、問題解決の選択肢が増えることも実感できると思います。
 

速読のメリット4:決断力がアップする

速読を使いこなせるようになると、同じ本でも、丁寧に読む部分と読み飛ばすところがでてきます。

読書をするとき、「時間をかけて読むべき部分」と「そうでない部分」を決める。これは一見簡単なようでいて難しいものです。

皆さんの中にも「本は最初から最後まで読まないともったいない」「大事なところを見逃したようで心配になる」という人がいるのではないでしょうか。

「ここは読まない」という決断ができない人は、日頃の決断力もやや弱い傾向があるかもしれません。私たちは、日々「限られた時間の中で何をするか」「どうやるのか」という小さな決断を積み重ねています。

何かを「やる」と決めることは、何かを「やらない」と決めることでもあります。速読を身につけると、そうした決断力を読書という日常的な行為を通して磨くことができます。

速読を受講した人の中には「せっかく本を短時間で読めるようになったのだから、行きたくない飲み会などで時間を無駄にするのはやめました」という感想もあります。
 

速読のメリット5:速読と、ゆっくり味わう読書を選べる

自由に読書速度を選べるのも速読を習得する醍醐味

自由に読書速度を選べるのも速読を習得する醍醐味

本は速読で短時間で読むべきものでしょうか?

私は必ずしもそうだとは思いません。自分のバイブルになりうるような「良書」はじっくり読むべきですし、旅先などで時間をかけてする読書は独特の楽しさがあります。

速読ができるというのは「読むスピードを選べる」ということ。

時には短時間で必要な情報だけを取り出す読書をし、時にはじっくりと読み込む。本の内容や自分の置かれている状況によって、読むスピードは自分で決めていいのです。

速読の主なメリットを紹介したところで、筆者が速読をして感じたデメリットについてもご紹介しましょう。

 
 
 
 

速読のデメリット1:本代がかかる

時は金なりだが、本代がかさむのは否めない

時は金なりだが、本代がかさむのは否めない

これは速読をマスターした人のほとんどがデメリットとして話すことです。短時間で本が読めるようになり、読書からのメリットを感じられるようになると、読書量が加速度的に増えます。

しかし、この頃から本代がバカにならないと感じる人が増えます。

筆者は生活費に占める書籍代の割合を「本ゲル係数」と呼んでいますが、これが急カーブで上昇してしまうからです。「時は金なり」と言いますが、速読によって書籍代がかさんでしまう面は否めません。

解決方法として「図書館を利用する」という人たちもいますし、(失礼ながら)「立ち読みで済ませてしまう」というツワモノもいます。筆者は書籍代を経費計上できるよう、副業として本やコラムの執筆を副業はじめたり、速読ができる友達を集めて本の交換会を行ったりしていますが。やはり書籍代はかなりの金額になっています。
 

速読のデメリット2:本の保管場所に困る

なるべく図書館を利用するようにしても、やはり本が増えてしまいます。速読を取得した人の中には、本の置き場所のことで家族から文句が出る、という人もいます。

解決方法としては、やはり電子書籍の利用がよいでしょう。ちなみに紙の質感が好きな筆者は国会図書館を利用し、必要なものは複写サービスを依頼しています。複写してもらったものを一定期間紙ベースで手元に残し、その後はデータ化して見られるようにしています。

そんな努力をしているにもかかわらず、我が家には本棚が大小合わせて7個あります。家賃の高い東京で本が占拠している部分を家賃換算すると……。息子が読書好きになったので「これも良し」と自分に言い聞かせてはいますが……。

以上、実際に速読を習得して感じた主なメリットとデメリットをご紹介しました。速読をはじめようかどうか迷っている方のお役に立てれば幸いです。

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※記事内容は執筆時点のものです。最新の内容をご確認ください。

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